今回のストーリーに出てくる絵は、怖いんですよ。
パステルで描いたらもっと怖いだろうから
イメージを見た当時のスケッチだけにします。
お詫びと言っちゃなんですが
「もふもふ大集合!」を載せときます。
動物を描いてると癒されます♥
もふもふ代表、アルパカを描き忘れたのが心残り。
では、関西弁を喋る龍の第9話、台風の話のつづきです。
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雲を削いでいた龍が突然何かを
察知したように身をひるがえした。
「暴風を止めに行く。お前は続けろ。」
そう言うと龍は私を置いて台風の目の内側へ向かった。
どうやら、外側を削ぐと勢力軽減、
内側から削ぐと暴風を軽減することになるらしい。
しばらくすると、また頭の中で声がした。
「こっちを手伝えっ!」
私は龍の緊迫した声に、慌てて台風の目に向かった。
台風の下を通ってしまったために
風と雨で視界が悪く、なかなか進めない。
進行方向から何かの気配がした。
心臓がえぐられるような恐怖を感じた。
私とすれ違ったのは巨大な、何か。
・・・未知なる存在。
1匹は巨大なコンドルのよう。
もう1匹は・・・形は鳥に近い。
でも、質感はオットセイやクジラのよう。
つるっとしたつやつやと黒く光る体をしていた。
タコのような大きな恐ろしい目でギロっと私を見た。
・・・怖い!やられる!龍は?龍は大丈夫!?
私は心配になって龍のもとへ急いだ。
龍は攻撃を受けていなかった。
ほっとして聞いてみた。
・・・怖いのを見たよ、あれは敵?攻撃してくる?
「敵ではない、役割が違うだけだ。攻撃はしてこない。」
そしてふわっと私にイメージをくれた。
あの未知なる存在たちは、
台風のサポートをしている。
台風は季節の名残やこの世界に澱んだ
様々なものを吹き飛ばす役割がある。
この世界に必要なものだ。
お天気龍は天候を制御する。
必要以上の被害が生命に及ばないように
バランスを保つ役割だ。
そう理解した。
眼下の海を見た。
私が削ぐ雲は龍が削いだのに比べてやっぱりか細く非力だった。
ごつごつした岩が見えてきた。
海岸が近い。
「そろそろ終わる。」
台風が海上にあるときにしか雲は削げないらしい。
・・・私、役に立てたのかな。微力でスミマセン。
「そんなことはない、ありがとう。」
龍にお礼を言われて驚いた。
そして、この龍がなんだか好きになった。
感謝と、畏敬の念。
イメージが終わって、お風呂から上がると、
台風が四国に上陸したというニュースが流れていた。
あの海岸は四国だったのか、と思った。