いま、雷と龍の関係を見た複雑なイメージに
挑戦しています。
4枚ほどの絵を描かないと説明できない
イメージなのですが、これは描くべき絵だと
衝動に突き動かされております。
衝動と、肩凝りとの戦いです・・・
雷のストーリーを説明するにあたって
先に「お天気龍」の役割を紹介したいので、
できれば連続して読んでいただければ。。。
ちょっと長いんで申し訳ないですが
お時間あるときにでも・・・
では、関西弁を喋る龍、8話目です。
(ちなみに、今更ですが関西弁を喋る龍とはお天気龍のことです)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
台風が接近していた。
お風呂の中で吹き荒れる風の音を聞き
ガタガタ揺れる窓を見て、私はちょっと怖かった。
・・・あの、点滴中の白昼夢で見たお天気龍は
悪天候を軽減しようと働いていた。
今も、この台風相手に働いているんだろうか。
ふとそう思ったとき、
「手伝え!」
頭の中でまた声が鳴り響いた。
一瞬で、私ははるか上空に龍と共にいた。
眼下にはぎっしりと密度の高い雲の渦。
台風だ!
台風の目も、しっかり見える。
…手伝えって何をどうやって?
龍はくるんと一回転すると、
巨大な鳥になった。
翼の大きな猛禽類。
…えっ?変身できるん?なんで鳥?
「姿はどうにでもなる。お前もやってみろ。」
有無を言わさない感じに躊躇する間もなく
私も龍のマネをして一回転してみた。
私は・・・ちっちゃなツバメになった。
…なんでツバメ!?私も鷹とかがよかったのに!
「姿は気にするな。よう見とけっ!」
そう言うと、龍は台風の端に潜り込み、
大きな翼でぐさっと雲を突き刺した。
突き刺した外側の雲が、帯となって
下に降り、海の中に溶けていった。
まるでリンゴの皮をむくような感じだ。
・・・なるほど、こうやって雲を削いで
台風の勢力を軽減させるんだな。
「お前もやってみろっ!」
私もマネして台風に翼を突き刺した。
ツバメの私が削いだ雲の帯は、
細くて微量でたいした効果がないように思えた。
・・・微力でスミマセン・・・
「そんなことはない、続けろ。」
強引で横柄だと思っていた龍に、
少し優しさを感じた瞬間だった。
つづく