関西弁を喋る龍『お天気龍』 | ◎時空の螺旋◎ spatio-temporal-*HELIX*

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この世界の美しさ
自然の摂理の巧妙さ
命の営みの不思議さ

センス・オブ・ワンダーをアートで表現します。

2014年6月のことです。
 
目を閉じると私は空を飛んでいました。
 
 ・・・空を、飛んでいる??
 
驚いて目を開けて見えたのは
蛍光灯のある天井、周りを囲むカーテン。
私は病院のベッドで点滴を受けていました。
 
3日間私を苦しめた高熱は
1度目の点滴でウソのように下がりました。
 
これは4度目の点滴の際の出来事です。
熱は完全に下がっていました。
意識もハッキリしていたし眠くもありませんでした。
 
だからこれは、高熱が見せた幻覚や単なる夢ではありません。
 
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もう一度目を閉じる。
 
やっぱり空を飛んでいる。
 
しかも、優雅にふわふわ、ではなく、
猛スピードでギューンと。
真横を雲がビュンビュン通り過ぎてゆく。
 
 ・・・まあ、いいか。
 
点滴は1時間。
目を開けたまま過ごすのも疲れる。
私は目を閉じこの体験を続けることにした。
 
かなりの距離をビュンビュン飛び続ける。
 
眼下に街が見えてきた。
ここは東京だ、と何故だか分かった。
 
前方に分厚くて真っ黒な雲が渦巻いていた。
 
そして、雲の上には・・・
 
 
”龍”がいた。
 
雲の上をぐるぐると円を描いて飛んでいる。
 
不思議なことに、私は龍にちっとも驚かなかった。
なぜ空想上の生物がいるのか、などと考えることもなかった。
 
私が思ったのは、
 
 ・・・ああ、東京の異常気象はコイツのせいか。
 
当時、東京に雹が降ったり集中豪雨が降ったり
連日のようにニュースで報道されていた。
 
不意に龍の声が頭の中で鳴り響いた。
 
「ちゃうわっ‼」
 
そしてあっという間に龍は私の目の前までやってきた!
 
龍は大きかった。
でもまったく怖くはなかった。
 
龍の鱗は理路整然と並んで美しく、
目の前の大きな瞳は紫色に光っていて…

・・・光そのものだった。

 
            
つづく
 
 
 
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この龍を描いたのは今月の1日でした。

私が描く龍はなんだか犬のような、獣っぽくなるなぁ・・・
と思いながらトイレのカレンダーをめくったら、
2月はシンガポールのマーライオン。
 
あっ!マーライオンも獣の頭に鱗のある体!
 
妙なシンクロに、トイレで笑ってる妙な私・・・。
 
荒波を鎮め王族の船を助けたのが
海に住むライオンだった、という伝説が
マーライオンのモデルらしいですが
海にライオン?
海に住む龍のことだったんじゃないかと
ふと思ったり思わなかったり。
 
この龍を私は『お天気龍』と呼んでいるのですが
(他の龍と区別するためであって名前を付けて呼びかけているわけではない)
色はシルバーグレー、いぶし銀ってやつかな。
あんまり分類に興味はないけど
銀龍ってこの龍のことかしら。
 
 
「ちゃうわっ‼」と言う通り、
異常気象はコイツのせいではありませんでした。

(アフレコするならダウンタウンの浜ちゃんか東野幸治さん風で笑)

龍の瞳の紫の光は、その後重要な役割を果たしました。

つづきは次回、関西弁を喋る龍「紫の光」にて。