ばかっぱれ
雪の降った次の日は大概天気が良いというのが相場なそうだが
今日の雪はどうもそうはならないらしい
いずれにしても、雪は降っている時よりも止んだ後のほうが厄介なのに変わりない
一番には、道路が凍てついて転びやすくなるということ
日陰の轍には冷たい水が溜まっていたりして
うっかりすると靴下まで濡れてしまったりすること
夫の会社は外装工事が主だったので、雨や雪が降ると休みになる
夜半から降り出すと皆で麻雀を始める
そして白々と明けた窓の外を誰かが見て、晴れている、という声で
全員が仕事態勢になり、数分で出かけて行ってしまう
社長の夫が25歳 従業員には17歳の子もいた
それでも、一旦、仕事ということになると
さっきまでのだらけた態度が嘘のように
きりっとした顔になって行く
道具を準備する者、車のエンジンをかけに行く者
皆黙々と準備をして
夜食用に炊いたご飯の残りで作ったおにぎりを頬張りながら
出ていく
そんな姿を見て育ったおかげか、私の子ども達は一度も学校に行きたくない
と言ったことは無かった
もしかすると、家にいるといろんな用事をさせられるのが嫌だったかもしれないが
思えばあの頃は雪の明日は確かに抜けるような青さのバカッパレだった
しかし近頃は雪の明日も曇天の日が多いような気がする
男女や上下関係のみならず
気象までもファジーな時代になったのだろうか