同族経営 | ミナミのブログ

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のんびり、、まったり

二つの破綻。

一つは山一證券。

その日会社の不始末に関して営業の人と部長さんがお詫び行脚に見えていた。

うちは特に被害を被った訳では無いから、軽く聞き流して、コーヒーを入れてテーブルに向かう途中、FAXが作動して一枚の紙が印刷された。

ピーという音で紙を見ると、倒産情報の文字の下に山一證券と読めた。

顔を上げた私に、お急ぎでしたらと部長さんが言うので

直ぐに本社に戻られたほうが良いですよ、とだけ伝えると、部長さんの顔色がサッと変わり、慌てて事務所をあとにした。

倒産の会見の席で当時の社長は 突然床に座り、涙ながらに、悪いのは私らです。社員は悪く有りませんから、社員の再就職を宜しくお願いします、と訴えていました。

後に社員に対して1300社からの雇用の申し出があったという記事を読んで、この会社はいつか再生するだろうなと思っていたけど、想像通り2011年にIBS山一証券として山一證券の名前をひきついでいた。

もう一つの破綻。

年の瀬が押し詰まった頃、タイルの老舗会社の営業の人が見えた。今時珍しいなと思っていたら、業績が振るわないので社長の命令のもと、全国を営業して回っているのですと。

その話の途中、取引先の資材店からその会社が倒産したらしいとの電話が入った。

私は彼らに、直ぐに会社に帰るようにと伝えました。

年が明けて、暫くすると、その営業の人が訪ねてこられた。

皆を営業に出している間に会社を倒産させて社長が逃げた、と。

社員の有志で再建に向けて頑張っていると新しい社名の名刺を置いて帰りました。

数日前、芸能事務所の社長の会見を見て、この人は社長という自覚が元々有ったのだろうかと不思議に思えた。

不祥事を起こしたのは会社でもタレントでもなく、創業者。

創業者の身内であり、その資産を株として全て引き継いでいる今の経営者が、その不始末を社員に等しいタレントに押し付ける。

タレント達はテレビの前でいろいろなコメントを求められ、時には創業者が犯した犯罪と共犯のような扱いをされて。

創業者が目指した観客を感動させるエンターテナーとは真逆な立場を求められる新社長。

たった一言

創業者の親族の代表が、全ての責任は自分の親族にある。その責務は全て親族の私が負う、とすれば、世の中の、タレントに向ける意識も変わったかもしれないと思う…。

社員というものは社長の在り方でその人生を大きく変えてしまうものなのだとしみじみ思う。