
心なしか、朝晩吹く風の中に、ひんやりとした空気が漂っているように思えます。
そんな頼りない秋風の中、人間を辞めて出奔した女優さん、何処にいっちゃったんでしょうね。
横浜に生まれ育った私なんぞ、大量の下着や服と聞いて、
ふと、もしかして、お船に乗って遠い国に?
なんて思ったりします。
横浜の港町あたりの路線バスに乗ると、時折、薬物中毒の後遺症らしき
人を見ることがあるので、完全に人間を辞める前に逮捕状が出たのは、
彼女にとって、本当の意味で救いの神だと思うので、早く自首して欲しいですね。
外国に行っちゃった場合は、そこで時効の期限は停止されて、その代わりに
国際警察刑事機構に委ねられて、生涯犯罪者として怯えて暮らすことになるんでしょうから。
子どもの頃、元東大出身の、某有名新聞社の記者だったという人が、
戦地に記者として赴いた際に罹ったマラリアの恐怖から逃れるためにヒロポン中毒になって、
廃人になり、通っていた病院の近くの溝に顔を漬けたまま亡くなったと聞きました。
叔父の船舶会社で、英語と中国語の翻訳をしていた人でした。
薬にさえ手を染めなければ、どれだけ輝かしい未来があったことでしょう。
亡くなったときは、40代半ばだったそうですけど、目が見えなくなり、呂律も回らなくなり、
足も不自由になり、当時の私には、70代のお年寄のように見えました。
薬物に手を出すというのは、自分自身を心身ともに廃人にするということです。
女優さんはそれを、身を持って示したともいえるわけですから、そういう意味での
社会貢献は果たされたことになるのでしょうか。
過去、麻薬・覚せい剤乱用防止センターの麻薬撲滅キャンペーンに、ゲストとして参加していた
彼女にとっては皮肉な結果ではありましょうけど。
ところで、港で働く叔父の一人から、こんな注意を受けたことがありました。
薬について、錠剤でも、カプセルでも、粉薬でも、一緒に暮らす親兄弟以外の人から
貰ったものは、絶対に飲んではいけないと。
例えば、風邪を引いてるんだけど、頭痛がするんだけど、おなかが痛いんだけど、
という理由があっても。
その理由を知ったのは、なんと、閑静な住宅街と称される町に住んでいたときのことです。
息子の幼稚園の同級生のお母さんから、栄養剤といわれて、白い錠剤をよこされたのですが、
叔父の言葉を思い出した私は、断りました。
それから数年後、そのお母さんと、同じ町内のご婦人方数人が、主婦売春で捕まったのです。
何故売春をしたか。薬が欲しかったから。
その薬の売買の仲介をしていたのは、隣町の店主。
事実を知って、私は、ムンクの叫びのように驚きました。
あの薬をもし飲んでいたら、私はいったいどうなっていたか、、。
主婦仲間の方達は、いつの間にか、家族ともども転居してしまいました。
今思い出しても心が凍るような話です。