長い間、風致地区≒公序良俗?のため、喫茶店でさえ開いてはならない、という、
住宅街で何十年も暮らしたあと、この街に越して来て、何が楽しいかって、
公序良俗を全く無視したお店がたくさんあって、その中に、子どもの頃に見覚えのあるの風景や品物が
溢れかえっているところであります。
今日も、近くの商店街で見つけました。
ジョレイ、でなく、令女、というヘアーネット。
モデルの女性は久我美子さんか、山本富士子さん、もしくは高峰秀子さん?
子どもの頃の同級生のお母さんにも似ています。
令女、とは、と、調べたところ、大正時代に出版された、令女界、というものがあると分かりました。
当時の女学生を対象にしたものだったそうで、川端康成の小説に、蕗谷虹児や、竹久夢二が
挿絵をする、という、今であれば、ものすごい、というメンツが関わっていたんだそうな。
わたくし思うところに、多分、それまでの家庭を守る、良妻賢母の世界から、
社会に出る女性を象徴した言葉ではなかろうかと。
懐古といえば、山本周五郎によると、横浜は、大正十二年の関東大震災の前と、
後では、全く変わってしまって、
震災前の横浜を知る人にとっては、たった五年ほどで再生したために、
とても雑多な街になり果てたそうです。
彼の横浜時代について書かれた冊子には、
いつの日か、再びあの震災前の横浜が蘇ることを願っている、
というふうにありました。
しかし、今を生きる私にしてみると、その雑多な街が日をって消えていくことが残念でなりません。
昭和を見つけて歩く商店街も日々を追って閉店の張り紙が多くなり、
普通の住宅やマンションに変わっていきます。
そんな中で見出す昭和の風景だから、一層愛おしくもあります。
で、件のお店には、ケロケロケロッピのハンカチもあったので、
つい買いそうになってしまった私です。
