メシノタネ（AIと画像処理が専門家のブログ）

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30Jun
- ただいま、サーモカメラが満開です。
  こんにちわ、スパー君です。さて、今日は面白い“ブレスト用AIアプリの紹介”をします。■今度のプロジェクトの名前、何にしよっかなー。■ブログの面白い見出しないかなー■資料の表題目を引きやすくできないかなー。■メルマガのクリック率上げる題が欲しいなー。とか考えているあなた。ブレストをAIに任せてみませんか？今回ご紹介するのは、AIブレストパーク。現在、パソコン版などは有料が基本ですが、スマホ版ですと、無償でアプリを入れることができます。さて、以下、サーモカメラで検索してみると・・・。おわかりでしょうか？笑このブログの表題もこのアプリで作ったのです。今後、アイデア出しのミーティングは、全部スマホで済ませる！なんて時代も到来したりして。↑ブログランキングに参加しています。ポチっ♪とお願いします。
06Jun
- 中小企業がAI導入を格安で導入する方法とは？
  こんにちは！スパー君です。さて、今日はAIを導入しようとする中小企業が、格安で導入する方法論を紹介します。その方法とは？ズバリ“補助金を活用する”ということです。AI導入に関する最も有名な、最近は毎年採択される補助金を以下にお知らせしますね。それは・・【IT導入補助金】https://www.it-hojo.jp/こちらの活用イメージ（例）ですが、製造業の中小企業が、導入する製品がソフトウェアの場合。資本金3億もしくは300人未満で、例えば300万円のソフトを購入する場合、下記、基準が緩いスタンダードなＡ類型に含まれるソフトを買った場合は、149万円くらい補助を受けることができるわけです。ですので、今、めぼしいソフトを選定している中小企業の選定者は、導入を検討しているソフトウェア作成会社、もしくはAIベンダーが、上記の“IT導入支援企業に指定されており、指定ソフトを登録しているか？”を確認するとよいと思われます。実際の手続きは、過去の納税証明書と、簡単な申請書を用意するくらいだったと思いますが、基本的には、慣れた行政書士に依頼すれば5-10万円で全部代行してくれます。そもそも、この費用をベンダー企業が負担してくれるケースもあるでしょう。是非うまく活用して下さい。下記をクリックして業者検索してあげると、色々企業やツール名が出てきます。どんな対象があるのかを知るという意味では、業種別に調べるツールもあるのでまずは覗いてみることをお勧めします。ITツールの名前は近日公開みたいなので、AIキーワードで調べてみるといいかも知れません。むしろ、AI以外でも、普通に役立つ対象が出てく可能性も高いですね。もちろん、上記IT導入補助金だけでなく、ものづくり補助金、地域の助成金なども調べてみるといいでしょう。また、これ以外にご存知の方がいたら、ぜひコメント頂ければ紹介させて頂くようにします。よろしくお願いいたします。
31May
- きゅうりのAIによる自動選別
  こんにちわ、スパー君です。さて、今日は農家のAI活用についてです。最近は、農業への自動化に画像を活用されるケースも増えてきています。例えば、■トマトの自動収穫のためにロボットが画像処理して最適な収穫時期を判断する。■ドローンを使って、稲穂の育ち具合を自動解析する■ショベルカーの周りの安全確認のため、カメラを活用する。■重機の先端に光切断デバイスを入れて掘削量を測る。などなど。そんななかでも、小規模農業ながら、自前の技術力を使って、■きゅうりの自動選別の補助にAIを活用する。ということを、ゴリゴリ実現された方の動画とスライドを見つけました。スライド。すごく論理的。https://www.slideshare.net/ikemkt/ai-119187344この方は静岡県できゅうり農家を営む小池誠さん。元は自動車部品メーカーのソフトウェアエンジニアらしく、さすがですね。活用しているプログラムソースはほぼ無料で、必要な部品もミスミなどでちゃっちゃと仕入れ、しまいには3Dプリンターを使って作っちゃったのだとか。ここまでの技術がある人は企業の中でも珍しいですが、うまく自分の価値を農業に導入した大成功事例ですね。
28May
- 画像処理AIソフトの差
  さて、以前画像処理専用のAIソフトには各種ある話をしましたが、それぞれ特徴が違います。一番有名なVIDIの場合は、少ない画像データセットで学習が可能であり、それぞれの欠点をマウスで塗りつぶし作業することでより詳細にAIに学習させることができます。また、HALCONなども同様となっています。一方、プリファードの場合は、良品、不良品の画像を集めてソフトに渡すだけで欠点を教示する必要がありません。この点が一番違うところで、最近のAI会社は、欠点をAIに教える作業を代行するサービスも打ち出しており、以外と専門家の仕事で、ボリュームも要求されます。その意味では、プリファードのビジュアルインスペクションが１歩リードと言えるでしょう。とはいえ、その後の開発のしやすさに関しては、一長一短の特徴もあるので、全体像を俯瞰してソフトを選定するのがいいと思われます。
25May
- マスクの価格
  スパー君です。さて、今日は脱線してマスクの価格についてです。最近、マスク価格の高騰が話題でしたが、少しづつ、落ち着いてきた感がありますね。以前は、自宅近くのコーナンに行って毎日マスクとアルコールを探しても見当たりませんでしたが、最近は箱で40枚セットとかで売っているのを見ることが多くなりました。40枚。1980円。で、100箱くらい置いてあるのに、誰も争奪して買わないという状況・・。明らかに、みんな欲しがっていない。受給バランスが完璧に崩れたので、恐らく、1000円くらいに戻ってくる日も近いでしょう。ちなみに、つい１週間前まで、中国から直接仕入れても、1枚55円とかだったので、圧倒的価格暴落ですね・・・。このビジネスに噛んでなくてよかったとひしひし思います・・。
- 産業用画像処理の世界のAI活用について
  産業用画像処理の世界のAI活用について解説します。最近になって、VIDI、HALCON、PFN（プリファードネットワークスビジュアルインスペクション）など、各種の外観検査専用AIパッケージソフトが実ラインに導入される事例が増えてきました。最も、2018年～2019年の段階で、最初に日本で販売開始されたAIパッケージソフトである、VIDI（ヴィディ）が300本販売実績があったというから驚きです。そもそも、1本のライセンス価格は300万円くらいするらしいのと、次年度以降も数十万円～数百万円を払い続けるという仕組みになっています。逆に言えば、それだけ支払う価値があると認識されているということかと思います。そもそも画像処理の世界は、専門家がOpenCVや、HALCONなどのライブラリソフト、もしくは、キーエンス、オムロンなどのコントローラーを使って、各種のアルゴリズムを駆使し、２次元画像内での欠点を自動認識させる仕組みを１から検討していました。しかし、最近のAIパッケージソフトを使用すればこのようなアルゴリズムを検討することすら必要なくなってきたのです。ユーザーがすることといえば、良品画像と不良品画像を撮りためて、不良部分をマウスで塗りつぶすだけ。この、マウスで塗りつぶす作業が、専門的な言い方をすればアノテーションと言いますが、このアノテーションさえいらない仕組みも存在します。なんと便利になったことか。これらのAI外観検査ソフトの登場により、これまでの画像処理担当者の手間が大幅に減るという点に期待されていますし、全く画像処理のことが初めてのユーザーでも、この世界に参入しやすくなってきました。
- 社内デモ機に産業用カメラを１個買うなら？
  スパー君です。さて、前回はカメラのインターフェースの概説をしましたが、イメージは沸きましたでしょうか。今回、話をわかりやすくするために、以下の条件で話を進めます。Q：「社内デモ機用に1個産業用カメラを買いたい」という要求が上がっている。この場合、どのカメラを買えばいいか？A：上記の前提であれば、　まずはUSB3.0カメラで2-3mケーブルと一緒に購入するのがベストです。理由ですが、USB3.0は、現在の一般的なデスクトップPC、ノートPCに絶対１口はあると言っても過言ではないと思います。逆に、GigEは、プロユースのレッツノートとか、LAN環境を使うことを想定したノートPCでないと、なかなかついていないと思います。カメラで簡単な撮像をするだけなら、自分のノートPCにちゃっとカメラを繋いで使いたいと思うケースが増えるでしょうから、まずはUSB3.0の、中間体の画素数のカメラを買っておくのがいいでしょう。ここで中間体という意味ですが、一般的な異物検査とか、傷検査とか、いろんな計測とかにも使われやすいのが0.3MPでもなく、5MPでもなく、1.3－2MPクラスが多いです。ではなぜ、2MPではないかというと、ちょうど、0.3MPの縦横の画素数を2倍にすると、1.3MPになり、1.3MPの縦横の画素数を2倍にすると、5MPになりという比例関係になっています。ですので、1.3MPであたりをつけて、もっと画素が欲しいなら5MPにランクアップさせることも容易で、また、1.3MPでエリアを切って使用すれば0.3MPでも使えるという、非常にバランスのいい位置にある画素数だからです。まず、評価用に買うなら、130万画素のモノクロUSBカメラを１台購入しましょう。
- ピーシービジョン（PCビジョンとは？）
  今回は、PCビジョンで環境構築するとした場合の、カメラの選定について説明していきます。さて、復習ですが、PCビジョンというのは、カメラやレンズ、ケーブル、PCまで、色々自分で選定する仕組みのことでした。この場合、カメラの選定は何を選んでもOKです。まずはインターフェースが色々あるので、ベストな仕組みから検討していきましょう。産業用カメラには、インターフェースで大きく分けて５種類あります。１：USBカメラ２：GigEカメラ（ギグイー）３：カメラリンクカメラ４：Coaxカメラ（コアックス）５：10GigEカメラ（テンギグイー）この中で、現在の主流は１と２、そして+３というイメージです。過去からの作り込まれた仕組みを使用している装置メーカーなどは、安定性、実績を優先し、３のカメラリンクを使用するケースが多いです。ただ、カメラリンクの場合は、画像を取り込むためのボード（フレームグラバー）が必要になります。このフレームグラバーが10万弱、ケーブルが数万したりするので、カメラ以外のコストがかさむのがネックです。ただし、画像の取り込みまではボードがやってくれるので、ラインカメラなどのアプリケーションだと、取り込みする画像量も増えるため、逆に有利に働きます。一方、エリアカメラの新規の選定については、１か２のUSBかGigEで選定する人が増えてきました。なぜなら、カメラリンクと違って、これらのカメラはボードレスでPCに画像を取り込めるからです。過去、カメラリンク派から、GigEはそもそも帯域が細いので画像が落ちる。安定しない仕組みだ。などと揶揄されることもありましたが、最近ではそれほど問題視されるケースも少なくっています。どちらかというと、ケーブルノイズが問題になるケースが多く、ここに気を遣うユーザーが増えてきたからでしょうか。また、USB3.0はGigEの3.5倍の帯域を持っており、取り込みをより高速になります。FPS（1秒に撮像できる枚数）を必要とするケースなどでは、USB3.0ベースで選定するといいでしょう。よくある選定の定石として、アプリケーションの検討結果から、①分解能が決まり、カメラ画素数のあたりが付く。②例えば1.3MPのカメラはないかな？と考えるが、　FPSが必要な場合はUSB3.0基準で選定する。③ただし、USB3.0はケーブル長３ｍが基準であり、　実力としては5-8m程度まで。　これ以上のケーブル長が必要な場合は、　無理してリピーターを使用するか、　GigEでの選定に切り替える。のような感じでカメラとインターフェースが決まるケースが多いです。FPSもケーブル長も必要。となると、USB3.0で、光ケーブルのリピーターで10mくらい飛ばすのは、ありだと思うのですが、しっかり検証してから確定した方がいいですね。
- 自動化に使うカメラの種類
  今回は、自動化に使う産業用カメラの種類の解説をしようと思います。産業用カメラと言っても、大きく分けて、■コントローラーベース■PCビジョンに分かれます。■コントローラーベースというのは、キーエンスや、オムロンと言った会社が作る演算処理装置と一体となったカメラ、レンズ、照明、ケーブル一式での仕組みのことです。一方、■PCビジョンというのは、自分で産業用パソコンを選んで、カメラはインターフェース（USBやGigE、あるいはカメラリンクにCOAXなど）から選定し、レンズも市場にある多種のものを選定。ケーブルも１から接合安定性を確認し、カメラリンクの場合は、ケーブルとボードも安定性を確認する必要があります。また、画像処理アルゴリズム自体は、ハルコンやビジョンプロと言った、ライブラリを使うか、それとも、OPENCVという無償のライブラリを使うか、それとも自社でライブラリを作るか、と言ったそのすべてを考えて選定する仕組みのことです。それぞれのメリット、デメリットを記載しますと、■コントローラーベース★メリット⇒やりたいことをKEYENCEや、OMRONの営業マンに問い合わせると、　テスト撮像もしてくれて、カメラやレンズ、照明も選んでくれて、　ある程度のアルゴリズムまで作ってくれて提案してくれます。　この意味では超楽ちんです。　また、その際の速度検証までしてくれて全部お任せができます。　その検査が、できるかできないか、の即断ができるとも言えるかと思います。　また、キーエンスの場合は即納に近く、　もし装置に組み込んで、画像処理コントローラが原因でトラブルになった際も、　即ものを購入したり交換したりすることができます。★デメリット⇒その分、当たり前ですがコストは高めです。　また、導入まではある程度面倒見てくれますが、　100％の精度保証まではしてくれません。　最後はお客さん任せとなることは間違いありません。　加えて、基本的には高額な仕組みから提案してくるケースが多いので、　コストを抑える光学設計が可能だということを面談時に沢山ディスカッションしながら　選択肢を与えてもらうか、こちらから指摘しない限りあまりコストを抑えることはできません。■PCビジョン★メリット⇒キーエンスやオムロン、コグネックスでできないことがあります。　例えば、フローを作成する際に、500個までのツールまでしか使用できない機種があったり、　カメラを増やそうとしても、筐体をもう一つ購入する必要があったりしますが、　PCビジョンの場合は、一般的に使用するUSBカメラや、GigEカメラを使用する場合、　ポートを1口増やすだけでOKです。　また、メモリさえちゃんと積んでおけば、USBカメラの方はDMA転送で　画像の撮像自体でPCにほとんど負荷をかけず、すでに1カメラで想定される画像処理のタクトを　単純に2倍にするようなイメージさえすれば、追加して1PCで処理できたりします。　また、アルゴリズムも自社開発したり、非常に高速なライブラリを採用することで、　高速なアプリケーションに対応できる仕組みを作れたり、自由度が高いです。　コストも大方、コントローラーで使用するよりは抑えられるため、メリットがでます。★デメリット⇒沢山の知識が必要です。　このブログでは基本的に、この知識を補完してもらう目的がありますが、　なかなか深い世界です。　例えば、単純にカメラとケーブルを選定するだけでも、　ケーブルの選定をミスすると、それだけで画像がコマ落ちしたり　トラブルのもとになります。　ですので、装置を作る際にPCビジョンで作り込む場合、　カメラとレンズは、照明と組み合わせて撮像し、アルゴリズムにかけて　この仕組みでいいかどうかを判断するだけですが、　ケーブルとPCも安定する仕組みで選定するという作業が残ります。　大体大丈夫と考えて、見切り発車で民生PCで走り出したりすると、　USBカメラがたまに見つからないとか、不安定な動作環境になるケースがあります。　これは、評価を端折ったためにおこるトラブルで、　選定のプロからすると当たり前とも思われるミスです。　各部材選定には、自分でいくつも選定してきた経験を持っている会社の営業や、　技術者に相談しながら選定するのが安心です。以上、今回はコントローラーとPCビジョンの違いについて説明しましたが、以後は、PCビジョンで環境構築するとした場合の、カメラの選定について説明していきます。
- ラインカメラレンズの選定
  今回はラインカメラレンズの選定について紹介させてもらいます。ラインカメラって、エリアカメラしか使ったことのない人からすると、ちんぷんかんぷんな状態から始まると思います。まず、エリアカメラはパシャっと撮れば画ができますが、ラインカメラは物体が動かないと、うまく撮像できません。ラインカメラ側が動くか、物体側が動くかすれば、撮像可能となりますが、多くの場合カメラは固定することになります。それで、エリアカメラと違って、2Kとか、4Kとかの単位でカメラは選定されます。これって何のことかというと、Kは1000の単位なので、2Kは横長に2000画素並んだカメラですが、通常、１ラインのセンサーしかありません。4Kは4000画素×1画素のカメラというわけです。その短軸、1画素づつを繋ぎ合わせて、1000－10000画素つなげることで4000×10000の40MPの画像を作ったりすることができます。画像は、Ｘ×Ｙ画素で表現されますが、2Kとか4Kというのが、このX側を示しており、Yはそもそも無限です。やりたい放題。ですので、大きな画像を作りたいときにもラインカメラは有利です。カメラの選定自体はまた追って説明しますが、レンズの選定はCCTVと同様で、カメラの必要分解能を決めるところから考えていきます。Yは先ほども言ったように無限大なので、X軸だけで必要分解能をまずは決定します。もし、必要分解能が、欠点が2㎜であって、横幅300㎜の画角にしたい場合、2㎜を5ピクセル×5ピクセルで描画することをイメージすれば、1ピクセルの分解能は0.04㎜となります。この結果、300㎜/0.04㎜＝7500画素必要となり、カメラは8Kを選定するか、4Kを2カメラ分選定すればよいとなります。前回、前々回の記事でもおわかり頂いたように、レンズの選定の前には、必ず必要分解能を想定し、カメラを選定してから検討することになります。さて、話を元に戻すと、8Kカメラが必要と分かったら、例えばDALSAのカメラを選定するとして、このセンサーのサイズは7.04μmです。有名なラインカメラ：リネア　DALSA社https://www.teledynedalsa.com/en/products/imaging/cameras/linea/この場合、7.04μm×8192画素＝57671μm＝57.6㎜です。ですので、レンズのサイズが57.6㎜以上のレンズを使う必要があることがわかります。ラインセンサーも、レンズの焦点距離を求める計算式は、CCTVと同じようにWDがわかれば決まってきます。センササイズ：焦点距離＝画角：ワークディスタンスなお、CCTVの時は、WDをざっと200㎜と想定しましょうといいましたが、ラインカメラの場合は、300㎜以上くらいで想定しましょう。あと、撮りたい画角と同程度、つまり、500㎜撮像したいなら、500㎜以上WDを取る。という考えをベースにすると、ざっとイメージしやすくなります。ここでは、WD300㎜と想定して計算します。センササイズ57.2mm：焦点距離？㎜＝画角300㎜：WD300㎜？＝57.2㎜×300㎜/300㎜？＝57.2㎜となります。つまり、60㎜くらいの焦点距離の、57.2㎜以上のセンサーサイズに合うレンズを条件に探すことになります。例えば、ミュートロンのサイトを見ると、大体はFマウントのサイズに合わせて、イメージサイズ、φ44㎜までのレンズ多いです。で、ミュートロンのサイトでも、大口径の57㎜に合うレンズはなかなか探せないことがわかると思います。φ44㎜以上のカメラを使う場合、M72とか言いますが、レンズの選択肢が少なくなることを当初から想定して選定する必要があります。こんな風にこまったら、レンズ屋さんに直接問い合わせて選定してもらうか、手に入りやすいFマウントレンズ（LSF5028-F）で少々画角の端を犠牲にするか、レンズ屋さんを変えるという方法があります。ラインセンサー用のレンズは、ミュートロンだけでなく、VSテクノロジー、オプトアートなどでも扱っているので、色々問い合わせてみるとよいと思います。もし、カメラ2台でもよければ、4Kラインカメラ+Fマウントで35㎜レンズくらいの選定になるかなと思いますが、ちゃんと計算はできていません。笑上記で記載したくらいのことまでは考えて、困ったらメーカーに聞く。でいいと思います。そしたら、サイトに出してないレンズを紹介してくれたり、他の固定倍率のレンズのうまい使用法を教えてくれたりしますので。
- テレセントリックレンズの選定について
  今回はテレセントリックレンズの選定について、解説させてもらいます。そもそも、多くの場合はCCTVレンズで事足りるアプリケーションが多いですが、どうしてもテレセントリシティが必要なケースがあります。＊テレセントリシティとは、撮像光学系特有の、物体の奥行き方向に対する結像倍率誤差を定量化する変化量のこと。簡単に言うと、★画角のどこで撮像しても、レンズの収差がない　平行光を取り入れることができるレンズのこと。です。どんな時に必要かというと、■照明にテレセントリシティがあり、　その光源の特徴を活かしたいとき。　例えば、同軸照明と組み合わせで使う場合。　通常のCCTVレンズですと、レンズの収差により上記のような　同軸照明の平行な光を平行な光として受けきれません。　レンズの中心部は割合平行度は高いですが画角端では同じ精度が出せません。　逆にテレセン+同軸照明を使うと、画角の中心でも端でも、　レンズ収差がほぼないために中心と端で結像した画像内のピクセル分解能が　ほぼ同等になります。　つまり、CCTVでは中心で0.2㎜/画素、端で0.25㎜とかになるのに対して、　テレセンですと、中心でも、端でも0.2㎜/画素となるわけです。　イメージはこのページがわかりやすいかも知れません。上記のように、テレセントリシティがあるということが特に意味深いのは正確に精度を測ることができるという点です。ですので、明確にサイズで欠点をわけたい場合に最適ですね。チップのサイズ、半田のサイズ、ピンのサイズ、毛先のサイズの判別など、色々な用途がありますが、0.1㎜刻みで明確にOKNG判定したいときに使えます。選定の仕方としては、やはり前回、前々回でも語った、カメラ側の必要分解能を最初にもとめ、その分解能を保持できるレンズをスペックから選定する。という流れになります。CCTVの時は、WDをざっと200㎜といいましたが、テレセンの時は、、多くは65㎜、110㎜などと決まっており、通常は110㎜くらいで考えるといいです。また、CCTVと違い、センサーサイズと画角を比例計算で出すのではなく、あくまでカメラのセンサーの１ピクセルのサイズから、どの程度の倍率で分解能を設定するかだけになります。つまり、センサーのピクセルサイズが4.8μmのカメラなら、等倍（１倍）のテレセントリックレンズなら、分解能4.8μmとなり、0.14倍のテレセントリックレンズなら、分解能は4.8÷0.14＝34．2μm/ピクセルとなります。通常、テレセンを使う場合は、上記のピクセル分解能の単位がμm（マイクロメーター、ミクロン）であるように、CCTVで求めるようなサイズとオーダーが変わってきます。なぜなら、レンズに入ってきた平行光だけを取得することができるので、CCTVで円錐形で開いたような格好になっていないからです。もっと言えば、以下のイメージがわかりやすいと思います。テレセンの場合は、画角＝レンズのガラスの端から端まで。です。ですので、1本で大画角を狙おうとすると、レンズ自体も超巨大になり、通常の20-30万円の価格帯だと、センサーサイズの最大10倍くらいまでしか、レンズが対応できません。1本100万円弱するバズーカみたいなテレセントリックレンズもありますが、それを買うくらいなら、カメラとレンズを複数にして、センサーの10倍の画角まで見れるものをいくつか組み合わせて光学設計する方が、入手性や、設置制約から考えても有利です。ですので、テレセントリックレンズを使う事自体も、割とよくあるアプリケーションですが、CCTVとは検討手法が違うということは覚えておきましょう。次回はラインカメラのレンズについて説明します。
- 産業用カメラにおけるレンズ選定について
  前回はカメラの選定についてざっと概説だけ記載しましたが、今回はレンズの選定について解説します。まずはざっと全体の機材の選定についてペロペロっとなめるように紹介し、継続的にそれらの選定手法について深堀していきたいと思います。産業用レンズの選定手法には、大きくわけて３つあります。１：CCTVレンズの選定手法２：テレセントリックレンズの選定手法３：ラインカメラレンズの選定手法です。さて、通常の異物検査、傷検査、などの用途に使うレンズは、だいたいCCTVレンズです。また、サイズを計測したり超精細な分解能でキズ検査やOCR（文字検査）する場合に加え、撮像系がシビアで、同軸落射照明を必要とするケース等は、テレセントリックレンズを使うケースがあります。今後、沢山事例を挙げて紹介していきたいと考えていますが、とりあえず、ここでは、最も一般的なCCTVレンズの選定手法について解説します。１：CCTVレンズの選定手法前回の記事で、カメラの分解能の話をさせてもらいました。通常、カメラ側の分解能を決めてからレンズを選定する。という流れが一般的です。ですので、とりあえずここでは、求めたい異物が1㎜くらいのサイズで、これを5×5ピクセルの分解能で検出したい状況と仮定します。この場合、１ピクセルの分解能は0.2㎜となります。これを、例えば1.3MP（メガピクセル）＝130万画素のカメラで撮像するとしたら、0.2㎜×1280ピクセル（センサーの長手のピクセル数）＝256㎜まで画角に収める光学系と想定します。（＊もちろん、1.3MPのカメラはすべてセンサーの長手が1280ピクセルではありません。　正方形のセンサーなら、この数値は変わりますが、一般的な数値を上記では記載しています。）ここからは覚えておく必要がありますが、レンズを選定するというのは、１：対応するセンサーサイズのインチ数を合わせることと２：焦点距離を確定すると同義です。上記１、２を求めるために、必要な数字があり、以下数値が決まれば確定可能です。１：画角256ｍｍ２：WD　？ｍｍ（レンズ表面からワークまでの距離）３：センサーサイズ　（例えば‥そのカメラの１ピクセルの大きさが、実質4.8μｍだとすると、）　4.8μm×1280ピクセル＝6144μm＝6.1㎜となります。ここで分かっておきたいのは、焦点距離を求めたい時に、ワークディスタンスが想定できてないと、数値が算出できません。ですので、何でもいいのですが、代入してあげる必要があります。この時のドタ感の数字としては、150-200㎜くらいで代入してあげるとまずはいいです。なぜなら、どんなレンズも最低WD100mmくらい離さないと、結像できない仕組みで作られています。この数値としては、8-16㎜レンズくらいだと100㎜くらいというだけで、35㎜とかになると、200-250mm50㎜レンズとかになると300-350㎜は最低離さないと、ピントが合いません。ですので、ざっと200㎜で代入してあげるといいかと思います。50㎜とかでいれちゃうと、ピントが合わないプラス、その後照明を設置できない。などの問題にもぶち当たるからです。では、200㎜を上記の式に代入します。■6.1㎜：焦点距離？㎜＝WD200㎜：256㎜　？＝6.1×256/200　　＝7.8上記結果から、8㎜くらいのレンズが最も最適となります。このあと、もう一度計算しなおすと、より具体的なWDがはじけます。■6.1:8＝？：256　？＝195.2つまり、8㎜レンズを使って、195㎜のWDでレンズとカメラを固定し、照明を選定し出せばいいという形になります。尚、レンズはだいたい、8、12、16、25、35ｍｍレンズを持っていれば多くのアプリケーションに対応できるでしょう。よく使うのは16㎜くらいでしょうか。次回は、テレセントリックレンズについて解説します。
- 産業用カメラの選定について
  こんにちわ、スパー君です。最初はどんどん記事数増やすために、テーマごとにガンガン書いていくことにしますね。さて、“産業用カメラの選定”には以下の条件が必要です。１：画角　検査したいキズや異物の大きさに比べて、　全体としてのワークサイズはどの程度大きいか。　常に相対的に条件を決定していきます。２：カメラとレンズの距離　ワーク表面からレンズ表面まで、　どの程度の距離を取れるか。３：光源の位置関係　産業用カメラを選ぶときに忘れてはいけないのが照明です。　照明にも様々な種類があり、一言に傷と言っても、　何種類かの照明を使って描画するケースもあります。産業用カメラの選定では、およそモノクロ、カラーカメラのどちらで選定するかというと、８：２でモノクロカメラが選ばれます。ですので、基本的にはモノクロカメラベースで物事を考えていいかと思います。また、選定されるカメラの画素数としても、多くは30万画素から、500万画素もあれば済みます。最近のiphoneだと、800万画素あったり、アンドロイドでも1200万画素のカメラがついてたりしますので、画素数的には物足りなく感じることもあるかもしれませんが、500万画素もあれば十分使用に耐えられるケースも多いです。通常、外観検査の中でも■計測用途と■異物やキズの検査では、選定するカメラとレンズの精度、光学系が大きく変わるケースが多いので、まずは大まかに分けておきましょう。例えば、用途として多い、異物検査の場合、0.2㎜角の傷を取りたい場合、0.2㎜角の異物を何ピクセルで描出させるかを基準に検討します。割と深い高さがあって、照明を当てて撮像した結果、コントラストが取れそうな異物なら、３ピクセル×３ピクセルくらいで異物サイズを捕捉するように光学設計すれば大丈夫かと思います。逆に、コントラストがでるかわからない微妙な異物、傷、打痕などの検査の場合、安全率を考えて、５ピクセル×５ピクセルくらいで捕捉するように考えておけば問題ないと思います。つまり、0.2㎜角の異物を検出する分解能というのは、0.2÷（3～5）で考える必要があります。この結果、0.04mm～0.066㎜/画素＝pixelで分解能を設定すればよいということになります。また、130万画素くらいのカメラが撮った画像サイズとデータ量に比べ、その後の画像処理のアルゴリズムの負担のバランスがよく、使い勝手がいいのです。例えばこのカメラを使うとして、センサーの横1280ピクセルだとすると、0.04㎜×1280＝51.2㎜と算出されます。ですので、このカメラで、分解能0.04㎜に設定した場合、50㎜は画角に納めることができる。とイメージすればいいでしょう。もし、ワークサイズが100㎜くらいだとすれば、２カメラ設置で大丈夫かも知れませんし、1カメラ設置で2回撮像することでもOKかも知れません。この、2カメラでいいか、1カメラでいいかは搬送がどのようになっているかに関わっています。ほぼギチギチに位置決めされた状態で流れてくることを前提としており、かつ、1枚目の画像と２枚目の画像がほぼ同じような画像が撮れることをイメージできるなら、１カメラで２回撮像する光学設計が可能です。でも、多くは2カメラ必要ことも多いので、基本は、必要画角分カメラを使う想定で考えるといいかも知れません。この必要分解能を撮像テスト前にあたりをつけて置くと、カメラの選定がスマートになります。このようなことを考えてから、テスト撮像をして、仮説を検証するというのが本来的なカメラの選定作業となります。次回は、レンズの選定について。
- 産業の世界における画像処理とは？
  産業界での画像処理というと、ほぼほぼ外観検査の自動化に限定されます。世間でいうところの画像処理といえば、フォトショップを使用したり、イラストレーターを使って、デザインを変更するという意味でつかわれるケースが多いですが、全然違う世界です。なので、画像に文字を入れたい、デザインや色味調整だけを変更したいという目的を持ってのみこのサイトを訪れた人は、すぐにページを閉じて下さい！笑では、ニッチな世界の話に戻りますね。外観検査を画像処理で自動化するには、本来、沢山の機材が必要になります。外観検査は基本的に人の目で検査していることの代用となりますので、・ワークの搬送・角度調整や位置決め・画像検査による良否判定・排出・梱包の上記のプロセス全体で構成していくことになります。このうち、画像処理で置き換えできるのは、画像検査による良否判定の部分のみです。この前後の工程は、どちらかというと、メカトロの仕事となりますので、こちらは余裕がでたら解説したいと思いますが、通常は分離して考えることになります。では次に、上記工程だけに絞れたと考えて、機材として必要なものを列挙すると、・産業用カメラ・レンズ・カメラケーブル・照明・産業用ＰＣ・判定ソフトのすべてが最適に選ばれている必要があります。この最適な選定が最も難しいのですが、各項目ごとに解説していくようにします。
17May
- AIと画像処理が製造業を変える！？
  こんにちわ、スパー君です。まず自己紹介させてもらうと、私は画像処理とAIの専門知識があります。この知識を少しでも社会の役に立てたいと思っており、製造業の現場にいる皆さん向けに、“AIや画像処理を使った外観検査の自動化”や、製造工程のカイゼンのための色んなトピックスを提供しようと思います。そう、私にとって、AI、画像処理というテーマは、“メシノタネ”なのです。正直のところ、割合毎日忙しい日々を送っているので、基本は毎週１記事上げられたらいいなと思っています。あまり気張らず、長く続けられることを目標にしており、日々の備忘録、仕事での学びやシェア、趣味の話などにも発展させるチョー個人的ブログを目指しています。では、とりあえずは最初なのでこのへんで。以後よろしくお願いします！