今日みたいに優しくされると、隠していた気持ちが首をもたげてきてしまう。

20年前から添い遂げているかのように合うタイミング。
永遠に一緒にいられるようなあたたかな空気感。
そんな少しのことで、
「ああ、私はこの人が好きなんだ」と引き戻されてしまうのだ。


「引力」という言葉が一番しっくりくる関係。
ひきこみ、ひきこまれ、お互いに依存し合っている。
そこがいけないって、そう思って離れたのに。

心はとても揺れている。
好きでもない人にすがるのは狡い。
でもあんな姿を見てしまったら、
他人にすがりたくなるってものだ。

好きでもない人と右手をつないだ。
あの人でなくても手は温かい。
即物的な気持ちは他人で事足りる。

「でも何か違うんだもん」
では言い訳が付かない状況にまで
自分を追い込んでみないと解らない
なんて頭が悪いにも程が有る。
生半可な気持ちですがるから。

言わんこっちゃない。

肯定されたい。
いや、否定されたくないのかも。

産まれてきてからこれまで、残ったものは何にも無かった。
ほんとう?
何にも無かったなんて言い切れる?
でも、何か残ったなんてはっきり言える?

悶々としてまた無に帰して、
また悶々として。
辛いよこんなの。
わたしが望んでた大人はこんなだったろうか。