◎こと座M57

 話題的には古いのですが、天体としては有名人なので、最近の知見をまとめたもの

 惑星状星雲が形成される途上、恒星のコアが白色矮星に移行する段階で、高温の中心星表面から紫外線が放射され、放出された外層が電離して光を放つ状況

 

 JASTのNIRCamにより撮影されたもの、赤外線は色は持たないので観測された波長ごとに色付けされていますから、この色は「発表者の感性」。

 

 地球から見るとリングはのっぺりとしたリングとしてしか見えませんが、「水素ガスが高い密度で集まっている無数の塊で構成され、塊の数は約2万個で1つの塊の質量は地球と同じくらい」とのこと。(出典後記、以下同)

 

 またリングには多環芳香族炭化水素(ベンゼン環を2つ以上持つ化合物の総称、PAH)から放出された赤外線も観測されたとのこと。このPAHは検定テキストに唐突に出てきて、特に解説もない物質なのですが、こういうところにあるんだ,,,

 

 こちらは同じくJWST搭載のMIRIによる画像。

 主要リングの外側に白い泡の広がりみたいなものが見え、最大10個確認されています。これは惑星状星雲になった主星の周りに伴星が周回していたことを示すものだそうです。

 伴星は太陽から冥王星までの距離(平均40au)を公転しており、主星がガスを放出していた時期に280年ごとに伴星と主星が相互作用し形成されたとのこと。

 以前、このような主星と伴星の相互作用で「多重の殻が形成された」という記述を読んだことがあり、あれと同じか,,,

https://sorae.info/astronomy/20230829-webb-m57.html

sorae ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた“こと座”の惑星状星雲「環状星雲」の姿

2023/08/29

 

◎バルマー不連続

 右端にスペクトルが取られた星の「型」が表示されています。

 B、A、Fでは明確にスペクトルの段差が見えていますが、G型星以下は不明瞭

 またA型星がひときわ段差がはっきりしています。

 これはG型以降では水素の電離が弱くなる、無くなるからであり、B型あるいはO型星でバルマージャンプが弱くなるのは、あまりにも高温で水素の陽子電子がプラズマ状態になり、励起というような状況になくなるため,,,図中のHα吸収線を見ても、B型星の吸収線が弱く見えるのはこのため。

 

◎こと座ベガ 高速自転星

 高速自転星は「シリーズ現代の天文学」での言葉ですが、天文学辞典にはなし。

 ともあれ自転が高速な星。

 ベガは光度等級の基準星ですが、意外と特殊な恒星なんですね

 

◎対流層を持たないO型星、B型星、A型星の磁場は?

 前提条件として、太陽は強力な磁場がありますが、これは太陽内部に形成された放射層と対流層の界面で自転のずれが生じていて、これにより磁力線が捩じられ絡み合い、それが表面に噴出したのが黒点である、、、そして黒点から外に飛び出た磁束管がΩ状になって、、、というモデルがあるなか、高温度星であるOBAは対流層がない(わずか)であり、太陽と同じような磁場が発生しにくい,,,というお話の序段。

 

 こちらはそれでもわずかに磁場がありますよ,,,というお話

 ただしここでいう「対流層」は太陽のように表面側にある対流層ではなく、中心部コア付近に形成される対流層のこと。