天文に関するパラドックス

 宇宙の広大さや時間の流れを考えると、一見「矛盾」しているように見える不思議なパラドックスがいくつかある。

 

① オルバースのパラドックス(夜空はなぜ暗いのか?)

 「宇宙が無限で星がどこにでもあるなら、夜空は太陽のように明るいはずだ」という矛盾。

 夜空が暗いのは宇宙は膨張しており、遠くの光は波長が伸びて見えなくなることや、宇宙に始まりがあり光が届く範囲が有限であることが理由。

 

② フェルミのパラドックス(宇宙人はどこにいるのか?)

 「宇宙の年齢や星の数を考えれば、地球外文明がいてもおかしくないのに、なぜ一度も接触がないのか」という問い。

 「文明は短命ですぐ滅びる」「実はもう来ているが隠れている」「地球が特殊すぎる」など、多くの説が提唱されている。

 

③ 暗い太陽のパラドックス(若き太陽のパラドックス)

 「40億年前の太陽は今より30%も暗かったはずなのに、なぜ当時の地球には液体(の海)が存在できたのか」という地質学的な証拠との矛盾。

 当時の地球が大気中の二酸化炭素などによる強い温室効果を持っていた可能性など反証は多々。

 

④ アルゴル・パラドックス

 連星系で、「軽い方の星が先に進化して巨星になっている」という、星の寿命の理論(重い星ほど早く進化する)に反する現象。

 かつて重かった星から軽かった相方へガスが流れ込み、質量移動が起きた結果だと解釈できる。

 

⑤ 青色はぐれ星のパラドックス

  星団中にHR図の折れ曲がりの位置から離れたところに明るい青い恒星がある。

 恒星が融合して質量の大きな1つの恒星が作り出されたなど種々の説明が存在する。

 

⑤ ゼーリガーのパラドックス

 ニュートンの万有引力の法則を「無限に広く物質がほぼ一様に分布している宇宙」に適用すると、重力の合計が定まらなくなる、あるいは無限大になってしまうとしてニュートン力学の修正を提案した。

 オルバースのパラドックス同様の説明ができる。

 

+++オルバースのパラドックスにかかわる登場人物など+++

古代ギリシア~アラビア、中世ヨーロッパ

 星々は天球の最外殻「恒星天」に貼り付いたものであるとした。

 この有限の宇宙像ではオルバースのパラドックスのような問題は発生しない

 

16世紀のイギリスの天文学者トマス・ディッグズが最初に指摘 

 

17世紀のケプラーは、神秘主義的な考えに固執し「恒星天」の考えを堅持した。

 

1721年にエドモンド・ハレーは、滅茶苦茶(=デタラメ)な論証で遠くの星々の寄与は距離とともに小さくなると説明。

 

1744年にジャン=フィリップ・ロイス・ド・シェゾーは、 現在提示されるものと同じパラドックスを明快かつ定量的記述した。

 

1823年にヴィルヘルム・オルバースシェゾ―のアイディア盗用して発表。

 なお「科学的発見に第一発見者の名前が付けられることはない」

 =スティーグラーの法則(統計学者スティーブンスティーグラー)という

 

1901年ケルヴィン卿(ウィリアム・トムソン)は、恒星の寿命がこれに必要な時間には遠く及ばないとし、もともと暗闇には十分に星が存在していないためにパラドックスの前提が成立していないという解答を定量的に示した。

 

1950年代にハーマン・ボンディ(著名な太陽学者:定常宇宙論者)は、著書「オルバースのパラドックス」で世間に広めこれで人口に膾炙した。

 

 公式問題集を見るとパラドックスについては何問か所載されていて、オルバースのパラドックスについては踏み込んだ内容になっていたので、上記のように取り纏めしました。

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 太陽の熱がどのくらいの期間を掛けて伝わるか,,,というのはいかにもプラネタリウムでの解説者の持ちネタみたいな問題。

 

 太陽中心での核融合で発生した熱はどのくらいかかって表面に出て来るか?

 これはGoogleAIの回答で、10万年から数百万年かかるとされていて、「約10万年から17万年」という答えも出てきます。

 

 ではこれが検定試験に出た場合の正解は?

 10万年?100万年?

 

 天文宇宙検定だと1000万年が正解です。

 2級では公式テキストに1000万年と明記されています。

 1級だと公式テキストの本文にはないものの関連した演習問題があり、解くと700万年になっています。四捨五入だと1000万年になります。

 

 ここでいろいろと問題が見てきて、前々から2級テキストでは1000万年としていたのか?という疑念。

 私が見ているテキストは2025-2026年版という最新版です。

 2級テキストは2年ごとに更新されますが、2世代前の2021-2022年版だと「放射層を数万~数十万年かけて通過する」とあるようです…GoogleAIに寄った書きっぷり。

 

 流れ的に言うと、ここ数年で新しい研究が出て、太陽放射層を通過する光子の運動について、少なくとも執筆者の先生の意見としては「1000万年くらいはかかりそうだ」となったのか、あるいは執筆者の先生が代わってその先生の意見が通ったのか。

 

 ともあれ、検定2級は「テキストからしか出さない」、「テキストに従う」が原則になっています。1000万年が学会での共通認識なのか、テキスト作成担当の先生の独自見解なのかは不明ですが、仮に議論があるにして4択問題として出れば1000万年が正解になります。

 

 教訓としては、「テキストは最新のものを使う」

 思い込みはダメ、自分の知識はテキストで洗い直す。

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 先日、「チ。-地球の運動について-」、プトレマイオスの続き。

 

 上掲のような検定試験の過去問が出て、さてこれは何級なのだろう,,,と。

 調べたところ「3級」とのこと。

 

 3級でプトレマイオス地動説の周転円について出るのか,,,

 周転円が3級レベルだと1級は「エカント」くらいしか残らない?

 でもエカントは難しいなあ,,,