このグラフそのものは初見というか、テキストには載っていませんが、テキストには下記のような説明があります。

 オリオン大星雲などのHⅡ領域では、強い紫外線で水素ガスがプラズマ化され、電子は陽子と相互作用を起こして「加速」され電磁波が発生する,,,とあり、これが熱制動放射であるとされています。

 ということで、冒頭の問いの答えは③熱制動放射になります。

 

 ただし待てよ,,,「制動」って、制動ブレーキという言葉があるように減速されるんじゃない?私自身は制動放射は電子の減速により放射される電磁波と理解していました

 ∵下記は天文学辞典で、制動放射の説明として1行目に「減速を受け」とあります。

 加速と減速はま反対な言葉ですが、放射の機構としては、プラズマ化して飛び廻る電子が陽子に引き寄せられて正か負の加速度を受けて、電磁波が放射されるのだ,,,ということは間違いないようです。

 

 ではこの熱制動放射は、我々がM42 を見た時に、あるいは写真を撮った時に、見えるものなのか?というのが気になります。

 

 冒頭のグラフを見ると横軸がギガヘルツ単位の周波数になっていて、1~10GHzがグラフど真ん中になっています。この周波数帯は「電波のオーダー」です。

 10GHzとしても振動数は10の10乗なのですが、可視光でも10の15乗オーダーなので、カメラを向けても絶対に写らないオーダーです。

 電波望遠鏡であれば見えるかな、、、というもののようです。

 


 ちなみにイメージはこんな感じで、電子と陽子の距離がバラバラなので、放射される電磁波も特定の輝線スペクトルではなく連続スペクトルとなります。我々がM42で見るHα線のようなシャープな輝線ではないので、電波で見てもボアっと見えるんじゃないかなと思います.

 

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 昨晩、「新 天文学事典」読了

 730ページの「大著」、ただしブルーバックスなので新書サイズ。

 字のサイズが小さく、かつ行間が狭いので2度読みはしたくない気分。

 

 一応鉛筆で下線を引いて、注意点は読み返せばいいのですが、その気分なし。

 現時点での予定では来月中旬くらいにはタイに来着予定。

 

 放送大学の教科書ですが、この2冊で天文学の全領域をカバーしているか不明。

 なにぶん目次がなく、amazonの数行のコメントでしか内容がわかりません。

 そのコメントを読む限り天文学の範囲全般が含まれていそうな気はしますが、宇宙論はあるかな?

 2冊で600ページ程度。

 

 天文を再開してしばらくたってから読んだハズの本。

 中に挟んであったレシートによれば2023年7月購入。

 

 前書きによれば「入門書と専門書を繋ぐ」とあり、検定1級のためにはちょうどよい感じではありますし、一度通読したはずですがどんな内容だったか全く覚えていません、もちろん天文の内容には違いないのですけれども。

 

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 年末年始だからというわけではありませんが、「新 天文学事典」が読み終わったところで、新規にテキスト再読を開始するか、問題集を始めるか、何かそういう気分になりません。

 

 「基礎からわかる天文学」を再読しようかと,,,さきほどから再読開始。

 

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ライマンα補足

 

 例えば赤方偏移6のところにクェーサーがあるとします

 

 赤方偏移 Z=λ/λ0ー1という式があります。

 例えば波長λ0の光を地球で観測するとλ=λ0(赤方偏移を受けない)

 z=λ0/λ0ー1=1ー1=ゼロ,,,地球上では赤方偏移は0です。

 

 では赤方偏移6のクェーサーだと、6=λ/λ0ー1なので、λ=7λ0

 すなわち、クェーサーでλ0の波長の光(電磁波)は、地球まで届いた時点では7倍の波長まで引き伸ばされます。

 クェーサーを出たライマンα121.6nmの紫外線は、地球上では851nmの光,,,これは赤外線ですが、として観測されます。

 

 クェーサーは銀河なので、さまざまな波長の光、連続スペクトルを発しています。

 ウェーサーから発した光のうち、地球でライマンα121.2nmとして観測される光は、クェーサーを出発した時点では121.7/7=17.4nmの光,,,これはX線域,,,です。

 

 すなわち、クェーサーから地球までの間のそれぞれの地点で、ライマンαに相当する波長の光はあるわけです。、、、∵ 光は連続的に引き延ばされていきますので。

 

 宇宙空間は基本的には電離されている,,,すなわち中性水素はない,,,状態ですが、部分部分に中性水素の塊が残っていて、そこを通過するクェーサーの光のうち、ライマンαに相当する波長の光が吸収され、吸収されずに残った光が地球へと向かいます。

 その位置で仮にスペクトルをとったとすれば、その位置でのライマンαの波長が歯抜け,,,吸収線として痕跡が残ります。

 

 そして次の中性水素の塊に辿りついた段階ではクェーサーからの光はさらに引き伸ばされ、ライマンαに相当する光が生じていて、そこでその波長の光が吸収され、また歯抜けになります。

 

 結局、地球に辿り着いたクェーサーの光のスペクトルを見れば、多数の歯抜けがあり、その歯抜けの位置の波長を計測すれば、どの赤方偏移の位置(=地球からの距離)で吸収されたかが分かり、これにより中性水素の分布がわかります。