検定1級に限らず2級もそうなんですが、受験者を惑わすつもりがあるのか、答えを出すために必要のない意味のないグラフや数値が天文宇宙検定では提示されます。
前回11月の天文宇宙検定1級の問題です。
レグルスとベガ、アンタレスの白黒スペクトル画像が示されています。
「ベガのスペクトル型を選べ」というのが問いであり、スペクトル型をこれらのスペクトル画像から読み取ることは不可能であり、全く不要な画像です。
選択肢として示されている4つの「英アルファベット+数字+ギリシア数字」の組合せから選ぶことになります。
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今回、この辺りが自分として弱いなあと感じたので、一等星21個をスペクトル型を加えて並べ換えたものが下記。
意外とこういう表ってネットを探してもないものですね。
上記は基本wikiから情報を得ましたが、wikiも多くの人が作っているのでどのあたりを見れば情報があるというのが一定しておらず、作るの大変でした,,,、
ここでは紙幅の関係で表の右側をバッサリと落としていますが、実際には「冬の大三角」とか、名前の由来、日本の古名など欄が続いています。
さてスペクトル型ですが、OBAFGKM。
過去問だと、
21個の一等星にO型星はいくつあるか?というのがありました。
正解はゼロ個、左欄の色分けは型ごとに色付けしました
ちなみに前回私が受けた2級試験でも、
「ぎょしゃ座の1等星、カペラのスペクトル型はどれにあたるか」という問題がありました,,,私は✕でした,,,ということもあり、ちょっとシッカリせにゃあかんと。
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実は1級テキストにも2ページほどを割いて、このスペクトル型を説明していますが、サラッと見落としていました。
この表の最上段、アクルックスのスペクトル型は「B0.5Ⅳ」です。
この意味は、
① 最初の文字はBで、B型星であることを示します。
OBAFGKMですが、女性天文学者であるアニーキャノンがスペクトル順に並べ直し単純化したものです。
② 次の数字は0.5で、同じ型、ここではB型の星の中で0~9で星の温度の程度を割り振っていて、この星は高温側から0.5にあたることを示しています。
何となく当時の人(1910年ごろ)はこのOBA... は温度順に並んでいるのだろうと考えていたものを、同じく女性天文学者であるセシリアペインガポーシュキンが確かに恒星の表面温度順に並んでいることを示しています。
キャノンもガポーシュキンもハーバード大なので、一般にハーバード分類と呼ばれています。
③ 次のギリシア数字は、以下を示します。
Ⅰ超巨星、Ⅱ輝巨星、Ⅲ巨星、Ⅳ準巨星、Ⅴ主系列星、Ⅵ準矮星、Ⅶ白色矮星
ハーバード大の分類は基本的に表面温度のみで分類されるのに対して、ヤーキス天文台のモーガン、キーナン、ケルマンはMKKシステムあるいはMK分類として星の光度による分類を提案しました。光度は温度のみならず、星の表面重力あるいは密度、半径などより変わるものです。
HR図を見ても明らかですが、スペクトル型(横軸)が同じでも光度(縦軸)が大きく異なる位置に星がプロットされています。MK分類は具体的には星の絶対光度でも分類したものです。
スペクトル型が同じ=表面温度が同じであっても、恒星の大きさが大きければ光度は大きくなります。
スペクトルで見ると、大きな星=光度の大きな星は吸収線の幅が狭くなるようです。吸収線の幅は星の大気密度が低いほど小さくなる ⇔ 分子間の衝突によって線幅が広がるため密度が低ければ線幅は狭くなり巨星が当てはまります。
テキストにはこのスペクトル幅が狭くなる云々の説明はありますが、これがMK分類で具体的にどう使われているかの説明はありません,,,現在探索中。
現在では、ハーバード分類とMK分類をくっつけた形、太陽であればG2Ⅴと表記しているようです。


