この写真、後で縷々述べますが、光っているところから「角みたいな光」が出ていますよね,,,crepuscular rays(薄明光線)というようです。この銀河で初めて観測されました。
最近、こういう銀河の画像を見ると
・どっちが手前?
・傾き角、楕円率は?
・どっち回転?
これ試験に出ます,,,写真を提示してこれらを答えさせる問題です。
これは合体銀河なのですが、中心より下側に茶色い帯(ハンバーガーでいえば実の部分)が見えていますので、斜め上から見ていることがわかります,,,右下が手前ということですね。
楕円率は短径b/長径aです。おおよそ3/5くらい?
傾き角はコマに例えればどれくらい回転軸が観察者の視線方向と傾いているかで、楕円率をcosとした時の角度になります。
回転はどうでしょう?渦巻が見えないので判断できないか、右回転のようにも見える
wikiで見るとS0~Saとなっていて、S0はレンズ状銀河なので渦巻はなし。
このIC5063はインディアン座の銀河で、赤方偏移:0.011 ということは約50Mpc離れていて3300㎞/sで後退しているんだ,,,
私、検定に取り組むまでは「光年」派でpcパーセクなんて出てくると面倒なやっちゃと思っていましたが、赤方偏移とかハッブル定数を使うとpc様々、計算便利。
距離はpcで出せば、後はだいたい3を掛ければおおよその光年。
サイズは46kpc,,,約15万光年だから天の川銀河の約1.5倍程度
IC5063は英語版のwikiしかありません,,,日本から見えないのでしょうがないか。
ちなみにパタヤから今晩だと22時半に南中高度20度です。
キーワードだけ拾うと、
合体後銀河、セイファート2銀河、活動銀河核(AGN)、大質量ブラックホール、拡張輝線領域(EELR、OⅢ輝線)
ブラックホールの降着円盤からcrepuscular rays(薄明光線)が見つかった初めての例なんだそうですが、薄明光線って?意訳すると「後光」みたいなものみたいです。
こちらはHSTによるIC5063で、冒頭の写真と天地が逆になっています。
薄明光線がより鮮やかに見えます。
これはNASAが描いた想像図、セイファート2の説明図。
銀河中央には巨大ブラックホールがあり、その周りを降着円盤が取り巻いています
実際にはその外側にトーラス(ドーナッツ形状)と呼ばれる〇断面でぐるっとつながった塵の輪があります。
セイファート銀河は活動銀河で、中心部から非常に明るい輝線スペクトルが観察されます。輝線スペクトルで様々な幅(ドップラー効果による)が見えるが1型で、幅の狭いものしか見えないのが2型になります。
未だ議論があるようですが、銀河をどちら方向から見ているかで1型と2型が違うのだというのが定説になりつつあり、2型は上掲説明図のように、銀河を横から見ていているので、スペクトルも異なって見えるのだ,,,という「大統一理論」が主流のようです
ちなみにDWARF3でみたIC5063 。緑十字の左上です。
まあ系外銀河を見る機材ではないので。
こちらはEdgeHD800 (L1400)に惑星状カメラを付けたもの
うっすらとハンバーガーの中身が見えています。
例えばこのIC5063のwikiをみると、光度のところが下記のようにバンドごとの等級で示されているわけです。
私は今まで、「なんじゃいこれ」という程度でした。
Vがビジブル(グリーン)で550nm、Bがブルーで440nm、、、可視光域だと13等級前後です。しかも人間の目で見えるグリーンあたりが一番暗く見える,,,
Jは1200nm近辺での近赤外での等級です。
このデータを見る限りIC5063 を撮るには、バランスの良いカラーセンサーで撮るよりも、近赤外方向に振った天体用カメラの方が有利になる可能性があります。
天体写真は究極、コントラストの勝負なので、写りにくい可視光をカットして、より天体が明るく輝いている波長近くで撮影する方が、いい写真が得られやすいわけです,,,特に系外銀河ならあまり色のことは問題になりませんし。
この銀河は活動銀河で、赤外線をたくさん出している特殊な天体なのかもしれません。
この冬、短焦点鏡+モノクロカメラ+IRパスで各天体を狙っていきたいと考えていて、IRパスは都市光をカットしようとしていたわけですが、天体の光を引き出す意味でも有用なのではないか,,,と考えているところです。




