別に化学が不得意でも嫌いでもないのですが、どうもこの話題に避けていたと自分ながら思います,,,だってヒドラジンとかケロシンとか、なんか怖そうじゃないですか。

 wikiのたとえを借りれば「比推力」は燃費。

 問題は燃費の良い推進剤は?というもので、まず答えを言ってしまうと。④⇒①の順で燃費がいいです。

    ただしでは①が一番いい組み合わせかというとそうではないようです。

 

 まず④は第2次世界大戦でドイツ軍のV2ロケットが使ったもの。

    これがイソプロピルアルコールっていうものなのだそうですが、メタンからHが一つ取れて水酸化基についてます。

 手が一つ足りない,,,逆に言えば反応性がいいのでしょうかね。


 ③はジェミニアポロスペースシャトルと米国の歴代ロケットが使ってきたもので、旧ソ連や中国の「長征」もこれ。推進剤酸化剤ともに常温保存できるため燃料を積みっぱなしにしなければならない大陸間弾道弾などのロケットもこれ。

 

    

 ヒドラジンはアンモニアからHが一個取れてもう一つとついたもの。

 さらに相手側のHがさらに取れてメチル基が付いたものがモノメチルヒドラジン

 こうやって見るとずいぶんと単純なものを推進剤として使っていることがわかります。ヒドラジンも酸化剤の四酸化二窒素も腐食性かつ毒性があり、これに関する事故が多いようです。

 中国の宇宙開発は今でも前世代の技術を使っているようですし、所詮軍事技術のブラッシュアップ目的なんでしょう。

 技術をすぐに軍事転用できる方向でやっているのでしょうね。

 具体的には耐腐食性金属の開発,,,タンクへの転用とか、腐食性を減じる燃料混和剤の開発など。米国もジェミニアポロ時代はそんな感じだったのでしょう。

 

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 比推力的に言うと①が一番であり、大型ロケットの多くが①を使っていて、日本のH3ロケットも、そもそもHという記号が水素燃料を使っているというところからきてます。水素を酸素で燃やすわけですから、これまた単純な燃料です。

 

 ただし水素は水の1/14しか密度がないため、タンクが巨大になって機材が重くなり、比推力では上回るものの、車でいえば日本製の燃費の良いエンジンをアメ車に積んでいるようなものなので、実際の燃費は悪くなる,,,すなわち実際の推力は低減されてしまうようです。

 

 推進剤として①液体水素は採用数は多いのですが、②ケロシンはスペースXのファルコン9が使っていて、発射回数では拮抗(あるいは逆転)しています。

 ②のケロシンは灯油のことで燃料費が安いわけです,,,ストーブに使うくらいですから。どういう計算でファルコン9に使われているのか不明ですが、ファルコン9はエンジン基数が9あるから「9」が付くわけで動体周りが太く、また機材の再利用を前提とした設計なので、この辺が関係しているのか,,,元エンジニアとしては気になります。

 ともあれ、多少燃費が落ちたとしても実質的に民間ロケットを席巻しているのがスペースXのファルコン9なので、灯油でロケットを飛ばすメリットが大きいのでしょう。

 

 ちなみに、JAXAはじめ多くのロケットが採用している液体水素+液体酸素の組合せのデメリットですが、

①どちらも液体状態を保つために冷却しなければならず冷却費用が高くつく

②液体水素はタンク内でも気化するためこれをタンク外に逃がす必要があり、燃料の目減りがある

③タンクを断熱しているが完全ではないため、周辺の水蒸気等がタンクに着氷する

 

,,,まだありますが、自分として理解できていないので今後増補

 

 実際には固体燃料もあり、こちらは1段ロケットの補助として使いますが、不思議なことにこれについての問題はまだ見ていません,,,