私は理系の人間なので、観測データのグラフを出されるとそれをまずは理解しようとしてしまいますが、天文宇宙検定1級ではそれは不要のようです。

 そんなことしたら時間の無駄,,,

 

 このグラフは「活動銀河核の典型的なX線スペクトル」とのこと。

 反射成分に6~7keV付近にピーク(赤矢印)があり、その原因を問うもの。

 

 冒頭の続きとして、

 ・「反射成分」とありそれをグラフの中で探してしまう

 ・強いピーク,,,赤矢印のところにピークがあります,,,でもよく見ると2本ありそう

 

 この問題をサラッと考えれば、

 ・選択肢を見ると①中性鉄原子、②電離した鉄原子がある

 ・核融合反応で最終成果として中性鉄原子ができる

 ・①と②を考えれば①の方が定常状態に近そう(普遍的にありそう)

 ・①の最内のK殻にある電子がX線で飛び出しL殻電子が充当される際に、

  6.4keVの電磁波が放出される(これは問いで示されるエネルギー値の範囲)

  なおこの電磁波を中性鉄Kα線という

 

  ということで①を選べばよく、実際の正解も①

 

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 ただしよく調べると、

 ・赤い矢印のピークは二つありそう。

 ・鉄原子の状態として選択肢にある「電離した鉄原子(=K殻電離)」があり、

  K殻には二つの電子があるものの、L殻等の外側に電子がないもの

 ・電離した鉄原子の場合も中性鉄原子同様にX線による電子の出入りがあり、

  輝線発生があってそのエネルギーは6.7 keV(これも問で示されるエネルギー値)

 ・ちなみに電子陽電子対消滅線も観測されることがあるが、エネルギーは511keV

 

 よって、示された6~7keVだと①も②も妥当な選択肢となる。

 ただし活動銀河内で「電離した鉄原子」があるかどうかは不明。

 

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 結局、

 「活動銀河ではX線が発生し中性鉄原子が励起する際に蛍光輝線6.4keVが発生」

 (これを「中性鉄Kα線」という)

 と一般論を覚えればよいみたいです。

 

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 なお、X線観測衛星スザクで天の川銀河中心のいて座A*近くにあるいて座Aイーストを調べていています。ただしスザクでは分解能的に難しかった点があったようです。

 スザクの後継「X線分光撮像衛星 (XRISM)」によって、K殻電離を確認したという内容の報文(2025年4月)がでています。

 

 いて座Aイーストは超新星残骸といわれていますが、超新星爆発程度のエネルギーであれば、K殻電離すなわち電離した鉄原子が存在して、6.7 keVの電磁波を出しているようです。