2024年11月9日、国際宇宙ステーションの全天X線監視装置「MAXI」が、さいだん座の方向に新天体「MAXI J1752-457」を発見した。この発見報告から2.5時間後、ニンジャサットは実施中だった観測を中断してMAXI J1752の即応観測を開始した。

 

 「中性⼦星」

  太陽よりずっと質量が⼤きい恒星が超新星爆発を起こした後に残る、半径 10km 程度 の超⾼密度天体。1cm3で 10 億トンにも及ぶ密度を持ち、物質としては宇宙で最⾼ 密度の天体。中性⼦星は星が強い重⼒でつぶれようとするのを、中性⼦の持つ量⼦効 果(中性⼦の縮退圧等)で⽀えている。

「 X 線バースト」

  中性⼦星と太陽よりも軽い恒星から成る連星系で、恒星からのガスが中性 ⼦星の表⾯に降り積もり、臨界状態に達すると発⽣する核融合爆発のこと。

 「 スーパーバースト」

  通常の X 線バーストは、中性⼦星の表⾯にある⽔素とヘリウムが点⽕する。より深い 層に存在する炭素が点⽕する場合、スーパー(X 線)バーストとなる。どちらの X 線バーストでも、点⽕した層とその外側の層が全て燃える。そのためより深い層から 燃焼するスーパーバーストは、放出される総エネルギーが通常よりも 3 桁以上⼤き く、X 線増光の継続時間は 1 時間以上と⻑く、場合によっては数⽇続くこともある。 MAXI J1752 からの X 線増光は 3 ⽇以上続いた。

 


 NinjaSat は理化学研究所が運用している 6U サイズの超小型X線衛星。

 小型衛星の強みである、姿勢変更の容易さと観測計画の自由度の高さから、目標とするX線天体に合わせた柔軟な観測が可能。
 2023年11月11日に、SpaceX Falcon 9 により打ち上げられ、2024年2月23日から科学観測を開始。世界初の超小型汎用X線天文衛星。

  • 高い機動力を活かした突発天体観測への貢献
  • 地上天文台や他の天文衛星との多波長連携観測や長期占有観測による新発見
  • 定常重力波の発見に貢献する中性子星の観測データを提供

「太陽同期極軌道」

 人工衛星の軌道の一つで、北極と南極の上空を通過する極軌道のうち軌道面と太陽方向の角度が一定に保たれる軌道。

 このうち、軌道面が太陽方向と垂直な軌道は常に明け方か夕方を通過するために衛星にとって同じ温度条件が保たれるので都合がよい。この軌道で望遠鏡を地球と反対方向に向ければ、望遠鏡は軌道周回ごとに天球上の大円を掃く。軌道面が地球-太陽を結ぶ直線に常に垂直なので、この大円は地球の公転に伴い1年間に360°、つまり1日に約1°の割合で回転していく。このため、全天のサーベイ観測には最適の軌道であるが、同一天体を長時間観測することはできない。また、冷却望遠鏡を搭載し地球放射と太陽放射からの熱流入を避ける必要のある赤外線衛星にとっては、太陽光を常に片側から受けることになり、太陽シールドによる熱流入の遮断が容易となる。

 全天X線監視装置 MAXI(マキシ) は国際宇宙ステーション搭載。

 理研がJAXAと運⽤している。90 分ごとに全天をスキャン観測しており、突発的に明るくなる X 線天体の発⾒に貢献している。

 MAXIは、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟の 船外実験プラットフォームに取り付けられいる。MAXIの視野は ISSの進行方向と天頂方向。

 ISSが約90分で地球を1周す る間に全天を観測することができ、青がガススリットカメラ、 黄色がソリッドステートスリットカメラの視野を示している。

 X線新星やγ線バーストなどの突発的な天体は、発見と同時にインターネットを通じて世界に速報され、世界中の望遠鏡で即座に詳しい観測が可能となる。

 この結果、これまでは観測が難しかった現象発生の早い段階で、MAXIから連絡を受け取った世界中の天文学者により、詳細な観測が行えるようになる。

https://humans-in-space.jaxa.jp/kibouser/library/item/brochure/maxi_2p.pdf