赤道儀の設置法として、Web記事なりYoutube動画が各種出ていますが、だいたいの場合、極軸を北極星の方向に向けて、その際、三脚の1本の足を北の方に向けるとあります。

 ドイツ紙赤道儀の場合、望遠鏡の重心は三脚の中心から赤緯軸前方側にズレます。

 上の写真だと前側にズレます。

 

 三脚の内、1本の脚を北に向けると三脚中心から北方向の距離が最大になり、鏡筒本体の重心や、赤道儀まで含めた三脚上部の重心は、確実に脚と三脚中心の間に収まり転倒の恐れが少ないということなのだと思います。

 あるブログの写真から(出所を紛らすために加工しています)

 

 望遠鏡の重心が三脚の三角形から外れているように見えます。

 

 ZWO-AM5赤道儀で、写真ではカウンターウェイトの有無は確認出来ません

 、、、まあ付いているのでしょう。

 

 これが従来の赤道儀であれば、トルクの関係でカウンターウェイトがバランスするように設置されるので、鏡筒が三角形から外れてもウェイトが三角形の反対側にあり転倒は防げます。

 

 仮にウェイトがないとすると、転倒モーメントに対して赤道儀本体/三脚/ストーンバッグ内の荷物の重量でバランスさせることになります。

 

 脚の張り方にもよります。

 脚を伸ばすと風で振動するという人であれば、絶対に脚を伸ばさないというかもしれません。となると三脚の三角形は小さくなり転倒しやすくなります。

 ちなみに私の場合、現時点でカメラ用三脚を使っているので脚は2段目まで伸ばして三脚底面積を確保しています。

 

 一案として、こんな感じに三脚を張ってみたら?というもの。

 

 望遠鏡鏡筒が三角形の最外遠に行くのは、赤経軸を水平にした場合です。

 この図はマンガ図で寸法は適当ですが、北に向けて2本の脚を等分に配置すると子午線から望遠鏡がズレた場合でも、従来の北に1脚を向けるものより鏡筒重心が三脚底面に収まる可能性が増えます。

 最初に示した三角形に比べるとオレンジ色の線が長くなっています。

 もちろんこの場合でも足の張り方が狭い場合や口径が大きくなると重心が外れる可能性は残ります。

 

 構造物設計では、

① 常時は上部構造の図心は三角形の図心から1/6以内に収める

② 地震時には地震水平力が加わるが、三角形の図心から1/3以内に収める

 という条件があり、一つの目安として使えそうです。