さてじゃぁ最後に
日本のネットで見かけた
色んな誤解をちょっと
解いておこうかな。
『ポルボロンというスペイン古代のお菓子』
古代じゃないね… せいぜい
古く見て16世紀からだ。
『ポルボロンという幻のお菓子』
いや… 普通にスーパーで
売ってます、秋~冬。
『修道院で生まれたお菓子』
確かにエステパの
サンタ・クララ修道院で
作ってたという記録や
マンテカドの型にするための
鍋の(かな?)蓋を注文した
その記録なんかもあるそうだが
修道院で生まれた…のじゃなかろう。
ただ、メーカー名で San (聖~)って
聖人の名前になってる会社が
結構あって、その理由も前に
どっかで見たんだけど忘れてしまった…
また見つけたら追記すっけど、
何かキリスト教やら聖人とかと
どっかで関係あったのかね。
『ポルボロンの油分はショートニング、類似のマンテカドの油分はラード』
どっちもラードっす。
『ポルボロンは真っ白。 茶色じゃない。』
タヌキ色じゃないね。 でも純白でもないな。
『直径2~3cm、厚さ1cmの丸い円盤状』
『お祝い事の時に家庭で作って食べる習慣が』
これはこのカテゴリ前半
「言い伝え」シリーズの方で
書いてあるよね。
日本のは本場より小さい、
祝い事全般じゃなくクリスマスのお菓子、とね。
それに、普通家じゃ作んない。
『ポルボローネ=ポルボロンの複数形
ポルボロン=塵だそうだが、どうしてお菓子に塵だなんて』
polvorones は確かに polvorón の複数形だが
polvorón は 塵ではない。
塵という訳(やく)になり得るのは語源の polvo です。
それから塵、という訳(やく)だけど、
埃(=粉のような細かいちり…by大辞泉)とか
粉塵(粉状の細かいちり…同上)と
やった方が親切だろうね。
ポイントは粉状ってとこで、
食べ物をゴミ扱いしてるわけではない。
ちなみにだねぇ…
polvo は俗語でしぇっくしゅの意味もある。
polvorón を3回言えたら幸せが…の話を
調べてる時にも、
『口に入れて? “すっげぇ polvo ”って
3回? そりゃぁシアワセになること
間違いなしだよな』 とかニヤけながら
解説するヤツもいたことをここに付記しておく…
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だぁー書き忘れてたことあった。
てか、あんま重要じゃないけど。
成形ね。
生地を上からギューと押して
円なり楕円なりの穴から
出て来たところを
糸みたいなんで切って、
ベルトコンベア上に
落ちるようにしてある。
そのねちっと切れる時の痕が
また独特のひび割れた
焼き目になってるんだね。(こんな
カンジ
)
だからたくさん作るんだったら
わざわざ手作業で丸めなくても
棒状に延ばして適当な幅で
切っていくやり方でいいでしょう。
あとマンテカドなんだけど、
クリスマスをとっくに過ぎた時期に
屋台なんかで売ってることもある。
スペイン来てすぐの頃、
泥棒市というかフリマというか
そんなとこに行ってみると
マンテカドを量り売りで売ってた。
ほぅこんなものが、と買ってみて
歩きながらガサガサと
セロファンを開けてみると
……… 蛆、わいてた………
ってこともあったね(;^_^A
即、ゴミ箱行きだったよ全部w
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さーて1回で終わるつもりだった
ポルボロンのエントリ、
とうとうカテゴリまで作ってしまった。
で、日本での誤解を解くべく
こんなあれこれ書いて来たが、
何も間違ってるのを訴追するつもりで
やったのではない。
元を正せば間違いだったものから
色んな方向へ発展してって
独特のものが生まれる、
ということはどの世界でも起きている。
実際、きなこのポルボロンてウマそうだし。
ただ、本当のところを知りたいのに
情報がない、というシトのために
あれこれやってみた。
そんで、商品規格の話まで
持ち出してみたけど
あれだってあれで全てではない。
統一規格として受け入れてもらうために
細かいところまで決めなきゃいけなかったんだから
必ずしも昔の物と同じというわけではなかろう。
現時点での定番はこんなだ、というだけで、
それ以上に古いレシピや
違った材料、作り方があっても
全然おかしくないし、それを
『間違いだ、ニセモノだ』とは誰にも言えないのである。
だからまぁ…
そもそもはこうだった、
今の規格品はこんなだ、というのを
分かっといてくれたらよろし。
あとはみな自由にやって
どんどんおいしいもの
作ってくらさい。
あぁ食べたし。