さてアラブ支配も終わり
豚を飼うのに何の遠慮もいらなかった
16世紀ごろ。

エステパ村のあたりは
オリーブ畑のほかに
豚の餌となるどんぐりのなる
樫の木が多く、
放牧でまるまる太った豚を
秋に屠殺し、
ハムや腸詰や脂身の塩漬けなど
1年分の保存食を作る時に
良質で新鮮なラードが
過剰に出るようになっていた。

今よりずっとエコな時代w
余り物でも捨てることなく、
これまた余剰の小麦と合わせて
お菓子を作るようになった。

今でもそうだが
多くの尼僧修道院で
色々なお菓子を作って売っており、
当時の、マンテカドの原形となる菓子は
家庭で手作りされるほかに
修道院でも作られていたそうで
忙しくなると周囲の農家から
女手を集めて作業にあたらせた。
その名残か
今でもエステパの製菓業界で
繁忙期の冬に菓子工場に働きに出るのは
9割がた女なんだそうだ。

当時の菓子は
torta de manteca と呼ばれていた様子。
torta というのは丸い焼き菓子で、
要するに油脂分にラードを使った
クッキーだったんだろう。

このクッキーにちょっとした、しかし
偉大な工夫を凝らして
改良をほどこした女性が
これを商品として
村の外へ出荷し始めたところから、
今日のマンテカドやポルボロンとして知られる
クリスマス菓子の歴史が
始まるわけである。

ところでこの torta de manteca 、
今でもしっかり作られ
食べられている。
マンテカド等のように
工場で大量生産されるのではなく
地元の菓子屋なんかが作って
地元の客が買って食べるお菓子として
一年通して売っている。
もちろん工場製品のもあるが
どっちにしても、
普段のお菓子として賞味されてる
様子である。

どんなものかと言うと、
素直にラードのクッキーなのである。
平たくて丸い、そして巨大な
ザクザククッキーで、
下の写真のものは重さ35g。
これ数枚食べときゃ
冬眠しちゃっても死なないくらいの
カロリーが取れそうである。

スペイン メモ帳-torta

その他にも
ラードクッキーの伝統は
消滅してないようで、
今でもスーパーで
クッキーの詰め合わせを買ったりすると
油脂分はラード、見た目はマンテカド、
口当たりはショートニングクッキー
特有のザクザクした歯ざわりの
ものが食べられる。

でもそういうの食べてみたかったら
オシャレっぽい詰め合わせじゃなくてね、
ちょっと田舎くさそうな
ストアブランドの詰め合わせとかを
選ぶといいよw。

まだつづくのだ。



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