初めてシェリー酒の
酒蔵見学に行ったのは
こっちに住み着く前だったから
もう20年以上前の話になる。

ワタシは酒は飲めなくはないが
飲みたいとも思わない方で
当時もシェリー酒に
格別の思い入れがあって
行ったわけではなかった。
単に社会見学オタクなのである。

今でこそあちこちの酒蔵が
見学客を受け入れているが
当時は確かGonzalez Byass だけだった。

予約して行くと
ワタシと連れの他には
白人客が二人だけ、
合計4人で見学開始。
当時の見学料金? 無料。

何だかよく分からない説明を聞いて
(スペイン語未熟の為)
最後に、Gran Bodega と呼ばれている
大型の酒蔵へ。 

印象的だったねぇ。
随分高いとこに足場が組んであって
そこに立つと
頭が天井ドームに
届くかというほどで、
そこから眼下
視界の届く限り
樽、樽、樽。

しぃんと静まり返った酒蔵に
たった4人の見学客は圧倒され
その静寂に呑まれて
外に出るまで無言だった。

見学ルートの最後は
お決まりの試飲会。
壁一面に大きな窓の続く
広く長細いサロンの
隅っこのテーブルに
4人仲良く座って待っていると、
サラミや
チョリソや
生ハムや
いわゆる腸詰類の盛り合わせが
当たり前に運ばれて来、
試飲も5種類ほどの瓶が
惜しげもなく開けられて
シェリーグラスになみなみと
注がれた。

ビールやワインより
アルコール度数の高い酒を
残してはもったいないと
まっ昼間っから5種類も飲んで
宿を取ってあったセビージャに
バスで着く頃には
すっかり悪酔いし、
かなりの時間
バスターミナルの
コンクリの柱の根元から
動けなかった。
…若かったなぁw

それからも
人を連れて行ったりで
ヘレスには何度か行った。
その頃には他のボデガも
見学コースを一般に公開していたが
やはり見せ慣れているだけあっったのか
見応えがあるのはGonzalez Byass だった。

しかし世界に名だたるシェリー酒造、
山ほど来る見学客が
宝の山に見えたのか、
酒蔵見学もどんどん
儲け主義に傾倒して行ったと見える。

最後に行ったのは
10年以上前かな。
見学料金が異常に高くなっていた。
初めての見学の時に
「ここは通称シェリー酒のカテドラル」
と説明された(はずの)
あの荘厳なGran Bodega は
見学コースから外され
最後の試飲で出されるのは2種類のみ、
注がれ方もグラスの底に
チョロチョロ、でお終い。
ツマミは
どうしても食べたければ
(昔とは別の)試飲サロンの入り口にある
ポテチやミックスナッツの自販機利用。
試飲が済む頃には
入ったドアがばっちり閉められ
サロンから行けるのは
便所とおみやげショップのみ。

今はどうなってるんだろう、と
Gonzalez Byass のWeb を見てみたら
すごいね…
料金は10ユーロ、
ショップは以前の
試飲サロンのスペースまで拡大、
コースから外されてたGran Bodega は
1階部分が
フェリアのカセタを模した
試飲コーナーへと変貌していた。

Web のバーチャルツアーの画像で
チラ見えしてるけど、
あの試飲コーナーで
色んなツマミをイイお値段で
売ってんだろうな。
何か、
フラメンコショーか
乗馬ショー付きの
見学コースまで作ったらしい。

すんげ、俗…

あ、ツマミの値段見つけた、
6ユーロだと。
いい値段だね。
手っ取り早く儲けるには
1ユーロのポテチ自販機より
いい値段だ。

いいんだけどね。
こちとら単なる
懐古趣味の社会見学オタク。
社員を食わせて行かねばならない
企業経営者とは
決断の方向が違う。

それでも
こういうのを見ていると
思わず口をついて出てしまう、
「昔はよかったなぁぁ…」



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