習字につかう「墨」である。
油に灯心をつけを燃やして、炎が出ている上に、茶碗のようなものをかざしておくとススか取れる。
にかわは、古来からある接着剤で、牛の皮や骨を煮てつくったゼラチンである。
墨はススとにかわを混ぜ、さらに、香料を加えて香りづけして良くこねて粘土のようにする。それを木枠に入れて、型をとってったものを灰に埋め、徐々に水分を抜いて作るものである。
なたね油を使い、灯心を細くしたものが高級品のすみで、灯心を細くするため、ススの粒子が小さくなる。ススをとるのも大変だから、高価になるというわけだ。
小学校のとき使った墨の大きさは、2丁という大きさで30グラムである。1丁は約15グラムで、一回り大きな墨は、3丁サイズで45グラムである。
中国でつくった墨を「唐墨」、日本のものを「和墨」という。
和墨のほうが、粘り気の強いにかわをつかうため、ひらがなをかきやすい書き味が異なってくる。(らしい)
それぞれの特徴を生かした使い方があるようだ。
大きな筆で、いっぺんに墨が必要なときには、墨汁が便利だ。だが、墨汁じゃ、いい字は書けないよ…となると、おおぜいで、ずずりを出して、墨をすることになる。
墨をするのは、お弟子さんの仕事だ。でも、大きな筆で使うときにはバケツに何杯も必要だから、相当な苦労をすることになる。これを免れようと開発されたのが、「スミすり機」である。
楽したいというニーズで、世の中は絶えず進歩するのである。