3秒~3分で読む超短編小説とお気楽メモ -41ページ目

3秒~3分で読む超短編小説とお気楽メモ

<題名>とタイトルを書いているのは、短編小説です。他のものは、日記訓練です。去年はよくサボった。今年はサボらないならすごいが、続くとも限らない…?

「ぜったい、こっちのほうがいいんだ」
兄はそういって、アイスを半分かじり、弟に渡した。
「うん」といって、弟も、おいしそうにアイスを食べだした。
そういってみたものの、祖母の家までは、停留所の数で五つはある。
三歳、年下の弟が、歩けるだろうかと考えた。
手を差し出すと、弟は、すんなり兄の手につかまった。
どちらかと言えば、弟は運動が得意なほうだ。
ゆっくり歩けば、なんとかなるだろう。
兄は、遠くを眺めて目印になりそうなものを探した。
田舎のバス通りは、ずっとまっすぐに続いていて、遠くに神社の杜が見える。
次のバス停は、あのあたりだ。
道端の草を見ながら、ゆっくり進んでいく。
途中で、ひどく強そうなオオバコがあったので、何本かクキを抜いて、一番、いいやつを弟にわたした。
試しに、草ずもうをやったら、やっぱり弟が勝った。
草ずもうは、強いやつを見つける目が大切なんだ。
遊んでいては、先にすすまないので、「行こう」といったら、弟はたいせつそうに、勝ったオオオバコを仕舞った。
バス停に近くなると、少しにぎやかな通りになる。
いろいろなものを、見ながら歩けるから、退屈しなくてすむ。
タタミ屋のおじさんが、ひじで縫い目をギュウギュウと締めるところを見ていたら、ジロリと見返されたので、弟の手を引っ張って、先を急ぐことにした。
一つ目のバス停を通りすぎたとき、後から来たバスがぼくらを追い抜いていった。
「あのさ、アイスよりバスのほうがよかったかな」
兄は自信なさそうに言った。
「アイスのほうが百倍いいよ」
弟はすぐに応えた。
バス通りは、大きく左に曲がっていて、遠くにガソリンスタンドが見える。
二つ目のバス停はその先だ。
兄は、太陽の傾きが心配だった。
暗くなって、祖母の家に着いたのでは、大騒ぎになるとわかっていたからだ。
でも、お金はアイスに使ってしまったし、先に進むしかない。
少し、ペースを上げ、引く手に変わりがないか、ちゅういを凝らした。
まだまだ、疲れてはいないようだ。
バス通りは、混雑するほどではなく、いろいろなクルマが行ったりきたりしている。
軽トラが、二人の横で止まった。
「よう、兄弟。どちらまで?」
ガラガラ声が、二人の頭の上から降ってきた。
「叔父さん…」
「よ~く、来たな。後ろの荷台にのれ。すぐに、ばあちゃんのところにつくからな」
なかなか来ない二人を見つけて来いといわれたらしい。
叔父さんは、口笛を吹きながら、運転していた。
兄は、いろいろ聞かない叔父さんが立派だなと思った。
祖母の家につくまで、二人は草ずもうの続きをやったので、すっかり楽しい気分に戻っていた。
(おわり)