風車が水辺にいくつも点在している。
川の向こうに渡りたいが、ちょうど、跳ね橋が上がっていた。
赤信号を見ながら待っていると、自転車に乗った子供たちに取り囲まれた。
学校帰りの小学生たちで、騒がしいのは、オランダでも同じだ。
口々に「ヤーパン」だと言う。
どうして日本人だってわかるんだろ?
跳ね橋が降りてゲートが開くと、喧騒の一団が我先にと、遠ざかって行った。
静かな川岸沿いの道が、ずっと向うまで伸びている。
野原が広がっていて、運河が張り巡らされている。
牛があちこちに放牧され、ゆっくり歩き回ったり、草を食べたりしている。
風車は静かにくるりくるりと回っていた。
先を急ぐわけでもないので、遠くに見える風車を中心に、あちらこちらと写真を撮っておいた。
ここはオランダ国内でも有名な観光地だから、自転車に乗った旅行者が野原を、思い思いに散策している。
なんだか楽しくなって、どんどこ歩いて、風車小屋についた。
目の前にあるのは、あこがれの風車大工たちが作った風力機械である。
人間サイズにできているのだろう。
大きくもないが、小さくもない。
風車の羽は、船の帆のようだ。
布が風をはらんで美しい曲線を描いている。
羽が回ってくると、風きり音がビュンと鳴る。
昔、風車大工たちは、近隣の村から持ち込まれる小麦などの粉引きをして、生計を立てた。今も粉引きが行われている。
自然の風から、回転する動力がずっと取り出せる。
ん~。やっぱりスゴイぞ。
この風きり音だって、碾き臼がゴロゴロすることだって、低周波騒音である。
風車小屋はそれをしょって、動いているのだ。
設置場所や大きさをわきまえていれば、生活に欠かせない動力になるということなんじゃないかと思う。