さてと…それぞれの魔法陣を描こうか


誰かを幸せにできればあなたも幸せになる

魔法は儀式や技術ではなく
幸せの中に存在する

魔法で叶える夢なんてとるに足らない
そんな魔女が伝えるメッセージ

お気楽魔女は隠れ家に住んでいます

あなたが会いたいと願ってくれたら

ふらっとあなたの前に現れるのです



あれは15年以上前…

私は今より血気盛んで、狂犬で

自己評価も高く

プライドを持って仕事をしていた時の話



妊娠中もポジションを守るべく
無理を厭わなかった
8か月のお腹を抱え
脚立に乗り、駆けずり回り
この子がそれでも無事に産まれたのは
神様の優しさでしかないとさえ思う
それぐらい酷い妊婦だった


まだまだ上を目指したい
それなのに
キャリアアップ制度はちょうど変化し
これまでより段階を経ないと
上がれなくなってしまった


休日出勤、残業、無償で繰り返し
やっと掴んだポジション
上司の『やる?』で上がれた時代から
ちょうど私の妊娠期に
試験も制度も変わってしまった


シングルマザーから優遇されて
上に上がれていたのが羨ましかった
やる気も時間もあるのに
背景や泣き落としで昇格できた時代


ようやく、ようやく
子どもを産むタイミングさえ
ずらして掴んだ私のキャリア
それはそれは嬉しくて、会社に貢献したいと
本気で思い応えてきたはずだった


パワハラ、モラハラ、セクハラ
そんな言葉が当たり前になり
平成の働き方が罪に問われる時代の少し前


私はパワハラにより降格された


上司が次々に変わる(移動)職場で
どんな上司にも耐えてきた
それなのに


今なら訴えたら100%勝てる自信がある
そんな上司が人事も握れる役職へ昇格した


息子の検診の帰りに
以前お世話になった会社へ
ご挨拶をしに行った


その上司の機嫌の悪いあの日に
たまたま顔を出してしまったがために


あんた、もう〇〇(役職)無理やから
パートに戻って
それがダメなら辞めて


その日の帰り道の記憶もない
配属先でもない会社で
全員の前で言われ


その日のうちに私がイエスもノーも答える前に
皆に知れ渡り、降ろされることが決まった


生後2か月から預かってくれる託児所を探し

おっぱいが溢れ、どんなにパットを重ねて

制服に丸いシミができても



溢れる母乳を絞れる場所がなく

休憩室のシンクで恥を忍んでおっぱいを搾り



我が子が熱を出せば

日当分がとんでも病児保育に預けながら

降格しても、泣き言も恨み言も言わなかった

きっとまたあの日のように働ける

そう信じていたから



ある日、同期が妊娠し出産した



別の上司と

再婚した彼女は変わらない役職だった



そして別の同期も全く同じ状況だった



ある日突然

フッと、心に宿る小さな火が消えてしまった



細くて弱々しい、その心の火は

不確かな、でも未来を信じて火を灯していた



まるで燃え尽きる蝋燭の最後のようでも

母でもなく妻でもない、私が守り続けた

最後の希望の灯りだった



何も見えない

何も感じられない



私の産後の鬱は、育児ではなく

希望を失ってしまった悲しみや

なぜ私だけ叶わなかったのかという悔しさで

ある日突然…動けなくなってしまった



そこから紆余曲折しながらも

数々の職でのたうちまわりながらも

個人事業主となり生計も立てられるようになり

違う意味で社会復帰し副業に出会いながら

人と関われることに幸せを取り戻していった



ある日、私は気づいたのだ



今の会社では役職はない

(欲しいとも思わない)

でも15年前に

年下の上司とあぁでもない、こうでもないと

喧嘩しながらも

会社を良くしたい、売り上げを上げたい

働きやすくしたい、

さらに上の上司に一泡吹かせよう



楽しかったのだ

決して裏から手を回すでも蹴落とすのでもなく

正々堂々と成長して、できる姿を見せてやろう



同じ目標、同じゴールに同じ熱量で向かう

戦友のような彼らとの時間が

役職がないと同じ土俵に立てない

との思い込みがあったからキャリアアップを

目指していただけで…



今の私は同じ状況で

それは忙しくとも楽しさが勝る職場で

キャリアがなくとも

大事にされ、仕事を任され

満足感に満たされていた



今、私は仕事を続けるか揺れに揺れている



休みたいのでもない

楽をしたいわけじゃない

大きな不安があるわけでもない



それで更年期を言い訳にしても

なぜ悩むのかさえわからなかった



どんな風に働きたいのか?



もう30代と同じ体力はない

プライベートでやりたいことに

割く時間も内容も環境も変わってきた




自由でいたい




月に10日ちょっとしか働きたくない



ダラダラと出勤するよりも

その日の業務に全力投球したい

だから短時間より長時間勤務で

休みがある方が嬉しい




そう、わがままだ



シフト体制での私の願いはわがままなのだ



そんな中、色々な神社を巡り

私が願ってきたことはただ一つ

会社にご縁がありますように

人手不足の解消だった



色々ありながらも

昨年夏より環境が変わり出した



シノゴノ言っていたわたしの願いを要約すると

隠居したい

に近いかもしれない



笑われるかもしれないが

(憶測や偏見かもしれないけど)

私の憧れはマックで働くシニア層なのだ



マックに勤務したいという意味じゃない



たまに出会うマックのシニア層の働き方や

笑顔に密かに憧れていたのだ



自由と安心とやりがいを手にした人たちの笑顔



うちの会社のシニア層は

結構、必死感が伝わるからまた違うのだが…



そしてこれに気づいたのが

あの日の、あの過去を上書きしてくれた

のは誰でもない

今の会社の上司であったということ



キャリアがなくとも

体に無理をいわさなくとも

できないことがあって失敗しても

それでもここで咲いていい

認めて守り続けてくれたからだ



ここまで赤裸々に

鬱病のきっかけを書いたことは

過去数年間でなかったはずだ



自分でも産後うつだと濁していたし

当時の時代背景で仕方がないと思って

消化したものだと思っていた



消化したんじゃない

上書きしてくれ

浄化してくれたのだった



私は私の自由を叶えたいのだ

安心のなかで全力投球したい

笑いたい…



だからこそ

このわがままを通して

未来に揉め事が起こるのが怖いのだ



グレーゾーンの私は幼い頃から

この言葉が怖かった

周りのことも考えて

あなただけ勝手にはできない

私にとって『わがまま』と言われるのは

呪いの言葉だとさえ感じてしまう



今でこそ

どうしたら社会に溶け込めるかを

覚えてしまったから回避できているだけで

本当の私はやはり協調性のない人間なのだ



押し殺すから苦しい

呪いの言葉が怖くて本音を言えない



人手不足が解消される今ならば

私は呪いの言葉を聞く前に

美しく去れるのではないかと思ってしまう



そうか…

私は嫌われたり

悪口を言われたり

ガッカリされることには耐性ができているけど



周りのことを考えていない



そう言われるのが怖かったんだ



自分を押し通して話し合い

上手くいくことより

その呪いの言葉を聞いて傷つくのが怖いんだ



だから揉め事になるくらいなら

私から身をひこうとしてしまう



本業も過去の恋愛もプライベートも

傷つく前に遮断してしまう



遮断して後悔する方が

まだやり直せる、傷つくよりマシだと

私は思い込んでいる




やり直せてない

いつも繰り返している



私の望む働き方が

隠居やシニアライフスタイルならば

それをちゃんと伝えよう



それでダメなら

身をひこう



誰かや環境のせいじゃない

人手不足のせいでもない



私はやっぱり私にわがままを許したい

自由な働き方がしたいのだ