以前ブログでお話しましたが,令和6年6月に,以下の2つの「離婚後共同親権」改正民法の勉強会に参加させていただく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

離婚後共同親権/親子ネットで「離婚後共同親権」民法改正についてお話をします

 

 

 

 

 

 

 

 

離婚後共同親権/共同親権オンライン勉強会「四国・中国共同親権勉強会in香川」 

 

 

 

 

 

 

 

令和6年5月17日に改正されたばかりの「離婚後共同親権」民法改正についての勉強会に参加させていただくために,私自身も現在一生懸命にその改正された民法について学んでおります。

 

 

 

 

 

 

 

その学びの中で,思うことがありました。それは,社会的に大きな問題となっている「子の連れ去り」についてです。

 

 

 

 

 

 

 

改正された民法は,824条の2において,「離婚後共同親権」である場合について,以下のように規定しているのです。

 

 

 

 

 

 

改正民法824条の2

 

 

 

「親権は,父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは,その一方が行う。

 

 

 

三 子の利益のため急迫の事情があるとき。」

 

 

 

 

 

 

 

この改正法の規定は,「離婚後に共同親権である場合」には,①原則的に親権は父母が共同して行うことと,②例外的に片親が単独で行えることについて規定したものです。

 

 

 

 

 

 

 

逆を言えば,②の例外規定に該当しない限り,子の親権行使は①により両親で行使しなければならず、①の場合であるのに片親だけで行った行為は他方親の親権侵害となり違法行為となることが明らかとなったわけです(今までの民法の解釈が不明確であった点を国会が明確にした,と表現できます。)。

 

 

 

 

 

 

そして,その改正民法の規定は「離婚後に共同親権になった場合」について確認された(拡張された)規定であり,現在施行されている民法における「離婚前の共同親権」の状態が,離婚後にも拡張された内容だということです。逆を言えば,改正民法は,「共同親権状態において,片親だけでできることとできないこと」を明確にした(今までは解釈で不明確だった)と言えるのです。

 

 

 

 

 

 

すると,現在施行されている民法でも,「離婚前共同親権」が規定されて施行されています。その「離婚前共同親権」についても,当然上でお話した①②の法律関係は同じなのです。上でもお話したように,改正民法は「離婚前共同親権」の規律を「離婚後共同親権」に拡張しただけなのです。

 

 

 

 

 

 

 

そこで私は思うのは,果たして今までの「離婚前共同親権」における「子の連れ去り」について実務で行われてきた「解釈」は、現在施行されている民法の「離婚前共同親権」の規定と適合していたのだろうか,ということなのです。

 

 

 

 

 

 

 

改正民法は,「離婚前だろうと離婚後だろうと親が共同親権状態の場合は,「子の利益のため急迫の事情があるとき。」などの例外に該当しない限り、片親では親権行使ができず,片親が単独で親権行使をした場合は,他方親の親権侵害となり違法行為となる。」と明記しました。

 

 

 

 

 

 

 

その規定(明確にされた「共同親権」の内容)は,これまでの実務で採用されてきた「子の連れ去り」の解釈と適合していないと私は思っています。なぜならば,これまでの実務で採用されてきたのは,「連れ去った親による暴力などがない限り,親による子の連れ去りは違法ではない」という内容だからです。

 

 

 

 

 

 

 

逆を言えば,これまでの実務で採用されてきた「子の連れ去り」の解釈は,現在施行されている民法の「離婚前共同親権」の規定(改正民法で明確になったように,「子の利益のため急迫の事情があるとき。」に該当しない限り,「子の連れ去り」も他方親の親権を侵害すること)と適合していなかったのではないかと思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

現在施行されている民法における離婚前共同親権においても、法律関係は同様なのですから、「子の利益を守るための緊急の場合であったこと」を連れ去った相手親が証明しない限り、子の連れ去りは違法なのだと思います。

 

 

 

 

 

 

この点について,冒頭でお話した2つの勉強会に参加なさる他の登壇者の方々にも,私の方からご意見を伺いたいと思っています。その内容につきましては,後日改めてこのブログでもご紹介できればと考えています。