5月8日午後11時からTBS系列「ニュース23」で離婚後共同親権の特集がされました。以下のサイトで,より詳しい内容をご覧いただけます。

 

 

 

 

 

 

TBSNEWSDIG/離婚後の「共同親権」何が子どものために? 日本では年間16万人を超える子どもが親の離婚を経験 当事者の子どもたちが打ち明けた本音【news23】

 

 

 

 

 

 

 

昨日のNEWS23での特集を私も拝見いたしました。「離婚後共同親権」の民法改正の内容に,「子の引っ越し」について共同親権者の合意が必要とされている点は良かったと思います。「子の連れ去り違憲訴訟」などで主張してきましたが,子ども達からすると,突然それまでの慣れ親しんだ環境から連れ去られ,別居親との面会を拒否されることは,子の健全な成長にとって大きな影響を与えることであり,両親の合意に基づかない「子の連れ去り」は違法とされるべきだと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

もう1つ,特集を拝見しながら感じたのは,これは他の報道においてもそうですが,「離婚後共同親権」になった場合に,DVの危険があるのではないか,という指摘がされていたことについてです。そのような報道では通常触れられないことですが,では現在の「離婚後単独親権」制度ではDVの危険はないかというと,離婚して子の単独親権者となった親の再婚相手から子への暴力や虐待が行われる事案がとても多いのです。「離婚後単独親権」制度の下で親権を失った親は,その事態から子どもを救うことが非常に困難となります。

 

 

 

 

 

 

 

さらに申すと,「DVの危険がある場合がある」から,全ての場合について「離婚後単独親権」制度としてよいわけではないことは明らかだと思います。私としては,原則が「離婚後共同親権」で,例外的に「DVの危険がある場合」には「離婚後単独親権」制度とできるようにしているのが現在の法改正案なので,その点の視点を大切にしてほしいなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

結論としては,「チルドレンファースト」の観点に立ち,いずれの制度を原則とする方が,子ども達の健全な成長が保障され,子ども達への虐待が防げるか,という視点が大切な問題だと考えています。そのような視点が昨日の特集では欠けていたと感じた点がとても残念でした。その点は,現在「離婚後共同親権」の法改正案の審議がされている参議院での議論に期待したいと思っています。