2022年6月21日に,自民党法務部会「家族法制のあり方検討PT」が,「離婚後共同親権」法改正のPT提言を,当時の古川禎久法務大臣に手交しました。

 

 

 

 

 

令和6年3月に,法務省が閣法として通常国会に「離婚後共同親権」法改正案を提出することが決まっています。上でご紹介したPT提言の内容は,その法改正案に直接影響を与えたように思います。

 

 

 

 

 

 

 

PT提言の具体的な内容は,部会に所属されている谷川とむ衆議院議員がツイッターで詳しく書かれていますので,以下で引用をさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

谷川とむ衆議院議員が書かれているPT提言の内容のうち,①「ハーグ条約及び児童の権利に関する条約との整合性を確保する観点から国内の法制度についての再検討を行うべきである。」は,

 

 

 

 

 

 

 

私の理解では,「子の連れ去りの違法化」(ハーグ条約)と「フレンドリー・ペアレント・ルール(子が両親と同じように直接触れ合うことを制限したり拒否したりする親は親権者として不適格であるとの評価を行うこと)」(児童)の権利に関する条約)を意味していると思います。

 

 

 

 

 

 

 

また,谷川とむ議員が書かれているPT提言の⑤「法改正前に両親が離婚している場合、一定の場合に離婚に伴い親権を喪失した父母の親権の回復を認めるなど、子のための救済措置を講ずるべきである。」について,私は「離婚後共同親権」の法改正において,必ずも受けられるべき救済措置だと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

なぜならば,「親権」とは決して「親の権利」ではなく,「親責任(親の子に対する養育責任)」なのです。それなのに,法律の改正と施行の時の後に両親が離婚した子どもについては「離婚後共同親権」(子どもに対して親責任を負う親が2人であること)となり,施行の前に両親が離婚した子どもについては「離婚後単独親権」(子どもに対して親責任を負う親が1人であること)は,子どもにとっての合理的な理由のない差別だと思うからです。

 

 

 

 

 

 

 

子どもからすると,両親の離婚は,子どもの意志や努力では動かすことができない事柄です。それにも拘わらず,法律の改正と施行前に両親が離婚した子どもについては,「親責任」を負う親を1人のままにしておくことは,憲法14条1項及び憲法24条2項が禁止した合理的な理由のない差別を,子ども達に対して与えることになることは明白だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

(谷川とむ衆議院議員のツイッターを引用させていただきます)

 

 

 

 

 

 

 

 

谷川とむ衆議院議員のツイッター

 

 

 

 

 

 

 

 

谷川とむ【衆議院議員 自民党大阪府連会長 大阪19区】

 

 

 

 

 

 

 

 

本日、古川禎久法務大臣に、自民党法務部会家族法制のあり方検討PTの提言を手交しその内容をご説明致しました。 以下、提言内容↓

 

 

 

 

 

 

 

 

父母の離婚後の子の養育については子の最善の利益を確保するため子を真ん中に置いた議論をしなければならない。また家族の分断を生じさせるような法改正がなされることがあってはならない。これらの課題に関する法改正を検討する上では次のような点に基づき、具体的な規律の在り方を検討すべきである↓

 

 

 

 

 

 

 

1 ハーグ条約及び児童の権利に関する条約との整合性を確保する観点から国内の法制度についての再検討を行うべきである。

 

 

 

 

 

 

 

 

2 離婚後単独親権単独監護制度を定める現行民法の規定は離婚後も父母の双方が子の養育に責任を負うべきであるという原理原則に反するものである従って父母が離婚した場合原則として父母がそれぞれ引き続き子に対して親としての責務を果たすため離婚後共同親権(監護権を含む)制度を導入すべきである↓

 

 

 

 

 

 

 

 

3 父母が離婚する場合、父母が共同して子の養育を適切に行うために、父母の監護割合や養育費、親子交流などについて定める「共同養育計画」の作成や「離婚後養育講座」の受講など、必要な事項について、一定の責務を課すべきである。

 

 

 

 

 

 

 

 

4 離婚後共同親権制度の導入に伴い、父母の一方が配偶者暴力(DV)や児童虐待を働いているなど、原則通りに適用すると不都合が生じ得るケースについて、子を真ん中に置き、安心・安全の観点から、丁寧に対応する規律を設けるべきである。↓

 

 

 

 

 

 

 

 

加えて、DV等の事実の有無が適切に認定・判断されるような仕組みや、被害者の速やかな救済がなされるような仕組みなどを創設すべきである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 5 法改正前に両親が離婚している場合、一定の場合に離婚に伴い親権を喪失した父母の親権の回復を認めるなど、子のための救済措置を講ずるべきである。