「離婚後共同親権」への法改正案を検討してきた法制審議会家族法部会は,1月30日の部会で,「離婚後共同親権」の導入を柱とする法改正の要綱案をまとめました。

 

 

 

 

 

 

 

NHK/「共同親権」導入が柱 法改正に向けた要綱案 法制審議会の部会

 

 

 

 

 

 

 

 

(NHKの報道の一部を引用させていただきます)

 

 

 

 

 

 

 

「離婚したあとの子どもの養育について検討してきた法制審議会の部会は,法改正に向けた要綱案をまとめました。離婚後も父と母双方に子どもの親権を認める「共同親権」を導入することが柱です。」

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ,国会に「離婚後共同親権」法案が提出される予定となりました。原則的に「離婚後共同親権」で,例外的に,①子への虐待や,②配偶者への暴力等がある場合には「離婚後単独親権」となる,という内容の法案です。

 

 

 

 

 

 

 

明治憲法時代であった1896年に制定された「離婚後単独親権制度」がいよいよ歴史的な転換を遂げる瞬間が近づいてきています。でも,私は「離婚後共同親権」制度だけでは,完全な「チルドレン・ファースト」の法制度では決してないと思っています。完全な「チルドレン・ファースト」の法制度とするためには,以下の2点が必要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

まず第一に,「子の連れ去り」の違法化が必要です。子の意志に関係なく,突然親と子が引き離される事態は,決して「チルドレン・ファースト」ではないはずです。「離婚後共同親権」制度に加えて,「子の連れ去り」の原則的違法化の規定が必要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

さらに第二に,「自由面会交流権」の保障が必要です。事情により親と子が別居した場合に,別居親と子との面会交流権が,同居親の拒否により,いとも簡単に制限される状態は,決して「チルドレン・ファースト」ではないのです。

 

 

 

 

 

 

 

親と子との別居後に,別居親と子との直接の触れ合いが保障されるためにも,①「子の利益とは,子が両親と同様に直接触れ合うことをいう。それを妨げることは,子の利益を害することである。」とする規定や,②「別居親と子との面会交流権を拒否したり制限したりする親は,子の親権者として不適格である。」とするいわゆる「フレンドリー・ペアレント・ルール」の規定の創設が必要不可欠だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は社会として国として,両親の離婚という,子どもからすると自らの意志や努力では変えることができない事柄により,子ども達が不利益を受けないようにする法律制度が必要なのです。

 

 

 

 

 

 

 

両親が別居した環境で育った子ども達の内,別居親と子との直接の面会交流が実現できていればいるほど,子は自己肯定感が高く,人とのコミュニケーション能力も高く,「愛情ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」と呼ばれる物質が脳に分泌される可能性も高くなるのです。私達は,そのような人物に,子ども達が成長することができる法律制度を創造する必要があるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

「離婚後共同親権」制度の創造の可能性が大いに高くなった現在,私は国会議員の方に,さらに上の点についての法規定の創造をも,検討していただきたいと願っています。それこそが真の「チルドレン・ファースト」の法制度の創造となることは明らかだと思います。