以前の記事でもお話しましたが,私が担当させていただいている自由面会交流権訴訟について,東京地裁で令和3年8月16日に期日が行われました。

 

 

 

 

 

弁護士作花知志のブログ/自由面会交流権訴訟/「意見陳述」と「親子審判」

 

 

 

 

 

 

期日では,お子様,お父様,お母様の3名の原告の方々が,面会交流ができない辛いお気持ちを,3名の裁判官に対して意見として述べられました。3名の裁判官が,ずっと意見陳述をされている3名の原告の方々のお顔を見つめ続けていたことが,とても印象的でした。

 

 

 

 

 

そして,同期日では,訴訟HPにも掲載されている原告ら側準備書面(1)が陳述(主張)されて,「親子審判」の内容も陳述(主張)されました。

 

 

 

 

 

自由面会交流権訴訟HP

 

 

 

 

 

 

上でご紹介した私のブログ記事にも書きましたが,「自由な面会交流権を目指す原告3名の方々の意見陳述が行われたこと」と,「親子審判の主張がされたこと」の2点について,この裁判期日は,きっと試金石のような存在として,振り返られる時が来るように感じています。被告国が反論のため3か月必要とされたため,次回期日は令和3年12月6日月曜日午後1時30分からになりました。東京地裁の803号法廷です。

 

 

 

 

 

さらに申すと,これも私が担当させていただいている子の連れ去り違憲訴訟の次回期日が,令和3年9月8日水曜日午前11時30分から予定されています。東京地裁の626号法廷です。その子の連れ去り違憲訴訟について,既に原告ら側から提出している準備書面(6)においても,「親子審判」の主張が行われています。

 

 

 

 

子の連れ去り違憲訴訟HP

 

 

 

 

 

民法学者の方も指摘されているのですが,①子の連れ去りと,②面会交流拒否は,日本の民法が採用している離婚後単独親権制度がある,と考えています。離婚後に子の親権者とならなければ,子とほとんど会えなくなる,

 

 

 

 

そして,日本では子を連れ去ること自体は違法とされていないし,離婚訴訟などでの裁判所の親権者の適格性の評価は,基本的に,今現在子を養育している親の養育に問題がなければ,その親が親権者になる,だから,子を連れ去り,さらには監護養育時間に差をつけるために,子と別居親との面会も拒否するのです。

 

 

 

 

 

それはあまりに不幸な家族の姿であり,まさに民法の離婚後単独親権制度が子をめぐる争いを生んでいるといえます。そして何より,その争いの最大の被害者は,連れ去られ,別居親と会えなくなる子どもなのです。

 

 

 

 

そのような紛争の発生を防ぐために2つの集団訴訟で原告ら側から提案された立法案としての「親子審判」です。それに対して,被告国はどのように主張をするのか,裁判所はどのような評価をされるのか,そして,国会が「親子審判」を立法する日はいつ訪れて,子ども達の不幸な場面が生まれなくなるのか,と考えています。子どもたちの明るい未来のために,1日も早い法律の制定を望んでいます。