このブログでも御紹介いたしましたが,平成30年11月3日に,京都での講演会にお招きをいただきました。講演会では,私が担当させていただいた,女性の再婚禁止期間違憲訴訟や,現在担当させていただいている,無戸籍児問題の解決を目指した嫡出否認制度違憲訴訟,離婚後単独親権制度違憲訴訟,そして戸籍法上の夫婦別姓訴訟を中心とした話をさせていただきました。

 

 

 

 

弁護士作花知志のブログ/京都での講演会「「家族」って何だろう?」が開催されました

 

 

 

 

 

すると,その講演会に参加してくださった弁護士の方が,ご自身が所属されている弁護士事務所である「京都さつき法律事務所」の会報に,その私の講演会のご感想を書いてくだったのです。次の会報になります。

 

 

 

 

京都さつきNEWS2019年新年号/しなやかな別姓選択~家族と憲法の講演会に学んで

 

 

 

 

記事を書いてくださったのは,山下信子弁護士です。記事を拝読しますと,4つの憲法訴訟の話を通じて,講演会で私が参加してくださった方にお伝えしたかったことを,的確にまとめてくださっているように感じました。

 

 

 

 

記事で中心的に取り上げてくださったのが,戸籍法上の夫婦別姓訴訟です。講演会では,訴訟のいわばエッセンスの部分をお話したのですが,その内容を山下信子弁護士は,さらにご自身の姓への思いも踏まえて,具体的な事例を挙げながら,解説をしてくださっています。その上で,「姓が人格権であることがよく分かるのである」というご感想を書いてくださっています。「姓は人の人格を構成する人格権そのものである」ということは,まさに私が当日参加してくださった方々に一番お伝えしたかったことでしたので,大変嬉しく感じました。

 

 

 

 

さらに山下信子弁護士は,記事の最後に講演会での私の言葉も引用してくださっています。「社会には多数決では奪うことができない事柄がある」「99%の人が賛成していても1%の人の人権を侵害している法律があれば,憲法に照らして是正されるべきである」などの言葉です。

 

 

 

 

そうですね。社会には,多数決では奪うことができないことがあります。社会には,多数決では決めることができないことがあります。例え仮に,社会の99%の人が賛成していたとしても,それを残る1%の人に義務付けることはできないのです。それが基本的人権であります。

 

 

 

 

なぜならばそれは,基本的人権とは,国が与えたものではなく,憲法が与えたものでもなく,人が人として生まれたことで当然に有する権利だからです。国も憲法も,その存在を確認したにすぎないのです。

 

 

 

そんな,基本的人権の大切さを,ちょうど新年を迎えるに際して改めて感じることができる記事だと,拝読しながら感じました。取り上げていただいた山下信子弁護士にお礼を申したいと思います。ありがとうございました。憲法と人権にご関心をお持ちの方は,ぜひ記事をご覧いただければと思います。