先日の記事でもご紹介いたしましたが,俳優の岩城滉一さんが,芸能人としては初めて,2014年に宇宙旅行に行くことが決まった,というニュースが大きな話題になっていますね。



このニュースを耳にして,そして実際に岩城滉一さんが宇宙旅行に行く様子などを目にされて,多くの方が「自分も宇宙旅行に行きたい」と思われることでしょう。



でも,大変夢のある宇宙旅行ですが,実はきちんと認識しておくことが必要な,気をつけないといけない法律上の問題が,いくつかあるのです。






まず第一に,大変高額である宇宙旅行の料金についてです。



実は,宇宙旅行の料金を払い込んだ後で,体調不良となったり,出発の直前に宇宙旅行に耐えられない体の問題が発見されたりして,宇宙旅行に行くことができなくなった場合でも,払い込んだ料金は戻らないことが通常なのです。



これは,例えば海外旅行の予約をキャンセルした場合では,「キャンセルが出たので,他の人にその空いた枠で行ってもらいましょう」となるために料金が返金されやすいのに対して,宇宙旅行の料金は,宇宙旅行船の席,椅子の「買い取り契約」として扱われるため,キャンセル,そして別の人に代わってもらう,という概念が生じないからである,と説明されています(そのような主張が法律上有効かどうかは別にしてですが)。実は宇宙旅行の契約書には,この点が不明瞭にしか書かれていないものがあるため,注意が必要なのです。



ですので,宇宙旅行に行かれる方は,万が一の場合には,払い込んだ料金が戻らないというリスクがあることを念頭に置かれる必要がまずあります。






第二には,宇宙旅行契約が外国の会社と締結されるものである,という問題があります。



岩城さんの宇宙旅行がオランダの会社から行かれるように,現在宇宙旅行を主催している会社は皆外国の会社ですので,その外国の会社と結んだ宇宙旅行契約に適用される法律はどの国のものか(オランダの法律家それとも日本の法律か),紛争が生じた場合にはどの国で裁判を行うのか(オランダの裁判所か日本の裁判所か)についての確認が,契約締結前に必要となります。



その内容によっては,宇宙旅行に出発したけれども,例えば宇宙船のトラブルで途中で帰還して宇宙にはいけなかった場合に料金が戻るのかどうか,さらには,宇宙旅行の過程で事故が生じた場合に,相手会社に賠償請求ができるのかどうかなど,生じる可能性がある多くの法律問題の結論が変わってくるのです。





岩城さんの宇宙旅行のお話は,いよいよ民間の宇宙旅行時代の始まりを告げるものです。しかしながら,その夢とロマンをもたらす宇宙旅行時代の始まりは,同時に新しい法律問題が生じる可能性をも意味するものなのです。



宇宙旅行をお考えの方は,実際の契約締結の前に,一度弁護士に相談されることをお勧めします。