第二十話 初めてのアラブ  part 1



男は横浜の老舗ホテルのラウンジにいた。


その日横浜の輸送機器販売会社から、中近東の顧客の所に行って欲しいとの依頼があり


その打ち合わせだった。 男にとっては初めてのアラブ訪問である。 もちろんアラビア語等


ちんぷんかんぷんである。 それまで東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなどを渡り歩いてきた


男だが、当時はアラブよりイスラエルの方が親近感があった。アラブが束になって攻めたてき


ても歯が立たなかった強国であり、先進技術国でもあり、ビジネスの相手としては申し分なかっ


たからである。 何しろ世界経済を牛耳るユダヤ人が創った国家である。

第十九話 不思議な人々 part 14 別れの日


女性の声を聴きながら男はふっとあらぬ妄想をいだいていた ” もし彼女が結婚しようと言い出したら


どうしよう。すごい人生になるかもしれないけど、きっと疲れるな”。なぜそう思ったかわからない。Yさん


の声が聞こえた, なぜか冷めた声であった” 貴方 さっき どの国の人々でも同じだと言ったわよね。


本当はそうじゃないわよね。あなたが出会っている現実の世界はそうじゃないでしょう。貴方にはやって


もらいたいことが沢山あるけど、あなたには言わないわ。言ったって無駄だもん。  他の人達と違って


やろうとしないもの!” 図星である。当時男はアラブのパートナーと喧嘩別れをして、日本に戻ってい


たのである。それにこんな専門的な難しいことなど自分には出来っこないと心の片隅で思っていたので


ある。 神様に三行半をつきつけられた男の前には彼女は二度と姿を現さなかったのである。 あの二人、


T氏とK氏も女性の言ったように男から離れていったのである。不思議な人々との永遠のお別れである。


第十八話 不思議な人々 part 13



"Tさん(波動) 貴方のやられていることは素晴らしいし、是非続けていただきたいし、こちらのプロジェクトにも参


加していただきたいと思っていますが、あまり商売気をださないで、困っている人も助けてやってくださいよ、 せ


っかくの研究も今のままでは一部の人たちだけのものになってしまいますよ!” ” Yさん(企業再建)、 貴方


アメリカのワシントンにいらしたでしょう? あの桜並木のプロジェクトで大変活躍されたらしいけれど、あそこの


地盤には苦労されたわよね。あそこはね” Y氏が全くそのことを話していないにも関わらず、女性は昨日のこと


のように当時の詳しい状況を話し始めたのである。 驚愕の面持ちのY氏にたいしても ” 貴方も折角良いコネ


を沢山お持ちなのだから、余り自分の懐にいれることばかり考えないで、人のためになることも考えてね。そうで


ないと人と衝突ばかりするわよ” Y霜踏んだり蹴ったりである。