ブルワーの仕事は? | #けるしゅください

#けるしゅください

おおさかでびーるかもします。
クラフトビール
ONE's BREWERY
#けるしゅください

はいどうも、へっぽこ醸造家です。

 

先日、「『ブルワーの仕事は8割掃除』はほんとうか?」

というような内容のブログ記事を読みました。

 

ざっくりまとめると

・実際は掃除5割くらい?

・掃除ばかりはかっこわるい

・ビール生産側の魅力をもっとひろめたい

・生産性のためにももっと掃除以外を

 

といった内容でした。

 

ごもっともだと思います。

掃除しかしてないわけではないですし、もっと魅力あふれる仕事だと思ってもらうには

クリエイティブな部分をアピールすべきだと思います。

 

ですが、醸造指導だったり、クラフトビールファンに仕事を説明するときには

「9割5分掃除してます」と答えてしまいます。

 

なぜでしょう。

 

ひとつは、日本におけるクラフトビールの世界がまだまだ自信をもってひとに勧められる

環境ではないこと。

根本的な原因は儲からないこと。

「ビール」といううものの売価はほかのお酒に比べて格安ですし、酒税は割高です。

労働時間は長くなり、多くの人員を割くこともできないうえに、薄給が基本です。

こういう状況なのに、ひとの人生を巻き込んでしまう勇気はなかなか出ませんよね。

 

ふたつめは、ビールをつくるのは醸造家ではなく、酵母であると心から思っていること。

酵母が上手においしく発酵させてくれるように、極限まで「お膳立て」するのが人間の役目。

ここの考え方は人それぞれでしょうが、私はシュートは打ちません。一生アシスト狙いです。

レシピを書いたり、クリエイティブな部分は華やかに見えて取り上げやすいですが、

逆に言えば優先順位は最下位です。

どんなに素晴らしいレシピも、汚染には太刀打ちできないのですから。

 

先述のブログでは、「掃除以外に瓶詰とか仕込みとかやってるし」と書いてありましたが、

瓶詰も詰める環境を常に清潔に保ちながら充填しますし、仕込みだって麦汁の通り道を

直前まで殺菌します。

ですから、仕込みも樽詰も瓶詰も全部掃除だと言い切っているわけです。

 

下手に興味を持たせて、おいしくないビールをつくらないでほしいというのが、

本心なのかもしれませんね。

 

ちょっと排他的すぎるな、とは思うので、少し反省をして今日も掃除に勤しみます。