コミュニケーション空間という空間 | SP館のブログ 空間づくりのおてつだい

SP館のブログ 空間づくりのおてつだい

メーカーの運営する サイン・ディスプレイ/店舗用品のオンラインショップ SP館。
お店づくり、オフィス環境づくりなどの
「空間づくり」に役立つあたらしい情報や日々のちょっとした発見を情報として発信していきます。

モノやサービスの売買。

商売といわれる考えはそれを前提に捉えられてきましたが、最近は少し事情が変わってきました。
モノの売買自体は存在しなくて、「コミュニケーション」をするということが価値となり、それに対価が支払われるしくみが生まれてきました。

今回はこのコミュニケーションの質の変化とそれをとりまく場所という観点で考えてみます。



■コミュニティの変化

公園、公民館、公共施設。
「おおやけ」の冠がつく場所で、人々は集って、コミュニケーションをとってきました。
それはその場所に集まるという前提で作られ、人々も他の人と接するためにそこに集まる。
コミュニティというもので、大昔からこのような場所でいろんなことが決められ、進められ、時代が動いてきたといっても過言ではありません。

このコミュニティの価値観が最近少し変わってきました。

大きな転換点はインターネットはじめ、仮想空間でのつながりが出てきたことだと思います。
フェイストゥフェイスのつながりが一番なことに変わりはありませんが、便利なサービスはやはりいままでのコミュニティを変化させてます。
わたし達も仕事や実生活においてメールなどをまったく使わないのは難しくなってきてますね。

たとえば・・・
・あそこにいけば必ずいたあの子もmailで連絡着くからこっちに来てもらおう。
・井戸端会議でやってたことをSNSのグループ作って書き込もう。
・町内会の決定事項はメーリングリストでみんなに送ろう。

場所に限定されることなく、コミュニティを形成できる。
インターネット上のアカウントをとれば接続できる世界。
社会的なつながりってことはそういうことになってきてます。





■では、リアルな空間の意義は?

それでもリアルな空間の必要性はもちろんあります。
リアルな「コミュニケーション」自体がやりやすい空間、言いかえればインターネットなどの仮想空間でなく、現実的にそこに集まることに意味がある空間は、必要な場所になります。


コ・ワーキングスペースなんかは典型です。
私はまだ行ったことはないですが、個人事業主さんはじめ、ノマドワーカーの方や営業職の方など、フリーデスクで働いてる方向けに時間単位で貸し出しているオフィススペースです。
名古屋でも最近増えてきていますが、そもそも個人のフリーランスで仕事をされている方やエージェントの方たちは「一人」というスタンスで仕事をしています。その方たちがなぜわざわざ会社的なところで仕事をするのかということは非常に意味を含んでおります。

一つははクライアントとの打ち合わせ。
これはメールのやり取り、電話のやり取り、現実に会っての打ち合わせは言うまでもなく、後者にいけばいくほど濃い内容のやり取りができます。

もうひとつの理由として、異業種はじめ、あえていろんな人と接する場を持つということ
普段ひとりで仕事をされている方にとって、人と接して情報交換したり、忌憚のない意見をもらうことはそれこそ対価を払ってでも欲しい相乗効果を生む可能性があります。



その他、本来の目的とは違う目的で、その場所をコミュニケーション空間にすること。

ホテルの宴会場やラウンジ。
夜の華やかな宴会なんかは減ってきて、今はもっぱら朝の方が人気らしいです。
「朝活」ですね。
自己啓発や勉強会なんかで朝6:00くらいからの開始も多いらしいですが、ホテル自体は宿泊があるので24時間稼動していてムダがない仕組み。宴会のように食事や接客などのモノやサービスでの差別化ではなく、ただ円滑にコミュニケーションの取れるスペースを提供するということだけを目的とできます。


最近は少しブームがかげりましたが、街コンや婚活パーティを飲食店や結婚式場の営業時間外を開放して行うのも、コミュニケーションを行う場所を提供するということ。食べ物やサービスは二の次で、誰とどのような時間を過ごすかということに会費などを支払うこととなります。



「コミュニケーション空間」と勝手にことばをつくりましたが、そういう場所が突然出てきたわけでなく、昔からあるお店やオフィスというスペースの人と人が接するという要素が見直される世の中になってきただけです。

売り手と買い手のコミュニケーションでなく、人と人とのコミュニケーション。
効率化や利便性がある程度まででつくした現代、やっぱり最後に求められるのは、人のあたたかさみたいなものなんですね。

わたし達がサイン・ディスプレイを通して社会を便利にしていくということ。
人と人が快適にコミュニケーションをとれるようにという視点が大事だと改めて感じます。



参考になりましたら幸いです。

他にもいろいろ。
サイン・ディスプレイ扱ってます。