表面処理の知識をまとめてみる | SP館のブログ 空間づくりのおてつだい

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サイン、看板・ディスプレイ製品の素材として金属はじめさまざまな材質が使われています。
素材そのものに表面処理を施して、色の調整などのデザイン的な加工や、サビ止めなどの耐食性などの補強を行っております。

当社においても、金属加工を専門に依頼している協力業者様にお願いして、用途にあわせた表面処理を行い、加工されたものを納入してもらってます。
私も工場を見学させていただいたことがありますが、専門の特殊な設備を使い加工しているためノウハウが必要な処理がほとんどです。

そのあたりを当社の商品に使っている処理を中心に少し勉強してみます。



■いろいろな表面処理の種類

表面を処理するといってもいろいろな方法がありますが、一般的には皮膜で覆うイメージで考えればいいかと。





メッキ加工
酸化しやすい金属に酸化しにくい金属の皮膜で覆う表面処理。
トタンやブリキなんかもそれぞれ亜鉛とスズを鉄にメッキ処理したものとなります。
当社でもスタンドのパーツにクロームメッキを使用しています。
光沢と耐久性を増すために、金属だけでなく樹脂にも加工します。

  高さ調整金具部 
 
サインホルダー部





塗装
主に非金属系のもので表面をコーティングすること。非常に多岐にわたるので別エントリーにて再度この分野で明日ふかぼり予定です。






コーティング処理
厳密に言えば非金属系の樹脂でのコーティングになるので塗装の一部ですが、木目や石目などの表面材質はひとつの加工方法として定着してきてますね。
当社でも木目のものはこの加工で仕上げてます。

 タペストリーバー木目






電解処理
当社のアルミ材質で行ってる表面処理の「アルマイト加工」などがこれにあたります。
化学的に表現すると陽極酸化皮膜。目的としては耐食性、装飾性を高めることとなります。
簡単にメカニズムを説明すると、アルミ素材に電極をとおして素材表面をわざと酸化させます。
その酸化アルミニウムの皮膜を素材の上にバリアーとして付着させる感じです。
この皮膜に小さな孔がたくさん空いているので、そこに金属をくっつける濃度を調整すると、アルミの生地の色から黒までの間の色で仕上がり調整ができます。
塗装と違い紫外線などの影響が少ないため、当社でも屋外看板、電飾看板のステンカラーやブラックのアルミ材はこの処理となります。

 PMフレーム 






クロメート処理
ネジなどによく使われる化成処理。ユニクロ(光沢クロメート)、有色(黄鈍色)、黒など仕上げが何種類かありますが、加工に使われている材料が注目されます。
今まで一般的に6価クロムが使われてきましたが、環境問題への配慮から3価クロムによる加工のものが一般的になってきました。




当社製品で使用している材質には使いませんが、日本古来の手法である銅器に使う「煮色仕上げ」や陶磁器の「釉薬」なんかも、金属の化学変化を使った表面処理となります。






■表面の仕上げ

鏡面仕上げ
文字通り鏡のようにピカピカに。磨きの度合いの調整によりスリガラスのような具合のつや消しにしたりも。



シボ加工
ヘアライン梨地などの模様を入れる加工。
金型などでパーツを作る場合は型そのものに溝を作り、切削などで作る場合はあとで模様をつけたり。
使用中にキズが目立たなかったりといったメリットがありますね。

 ヘアライン

 梨地

加工方法としてはサンドブラストという小さな粒子を素材表面に打ちつける手法もメジャーになってきました。
粒子の番手の調整である程度の模様のパターンを作れるとのことです。





デザイン的な加工のためももちろんですが、耐久性やキズを目立たなくするためなどの要素も表面処理を決める上では大事なポイントです。日進月歩で開発の進んでいる分野ですので、協力業者様からの情報のもと、より適切な加工を選択して商品開発を進めていきます。

昨今では加えて環境問題も大事な問題になってきております。メッキ何かも処理しても有害にならない材料になってきてたりします。




参考になりましたら幸いです。

いろいろなサイン・ディスプレイを扱ってます。