原油相場は4営業日続落です。前日引け後の時間外取引は頭重い展開で始まり、その後終日軟調でしたが$65/bblでは支えられています。
8月5日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$1.13安の$65.16/bblで、引け後の時間外取引は$65/bbl台前半です。
OPEC+ 有志による日量220万バレルの自主減産が9月には完全解消される予定で、更なる増産にも含みがある状況では市場の空気は弱気優勢となります。
しかし、$70/bbl達成で下げサイクルに転じた WTI 相場は、$60/bbl大台半ばのレンジ下限で支えられる臆測が更なる売りを躊躇させます。
第2四半期前半の大幅な供給過剰は解消していると推定され、大局的に原油相場の価格帯は上昇しています。
米国の関税政策による原油需要後退の過度な悲観も薄れてきました。
そのため、現状では OPEC+ の増産加速もそれ程大きな重石にはなっていません。
対露制裁の一環でロシア産油調達国に対する関税引き上げを告げる米国の脅しには、懐疑的な声も市場にあります。
また、制裁でロシア産油の購入を停止した欧米が中東産油などにシフトし、中印らがロシア産油の購入を増やして棲み分けが行われてきましたが、このところの増産で中東産油の販売先が必要になってきているという面もあるのでしょう。
引け後に米国石油協会 (API) が発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は180万バレル減少から10万バレル増加の事前予想に対し前週比423万バレル減、クッシング原油在庫は同166万バレル増でした。
全米在庫はここ3週毎回増減が入れ替わり、クッシング在庫は5週連続の増加です。
ガソリン在庫は前週比86万バレル減で3週連続の減少、中間留分は同157万バレル増で4週連続の増加となっています。
2025/8/5
NYMEX WTI Sep: $65.16/bbl ( -1.13 )
20日移動平均: $67.07 ( -0.20 )
ボリンジャーバンド
+2σ: $69.76/ -2σ: $64.38
幅: $5.38 ( +0.21 ) / 100日平均: $10.09
ボラティリティ
28.49 ( +0.40 ) / 100日平均: 36.29
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