原油相場は3営業日続伸で、高値は$79/bbl台を付けました。$80/bbl目前まで来ましたが、まだ下げトレンドは脱していません。IEA の月報では需要予測が下方修正されて、堅調ムードに水を差しています。

6月12日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比60セント高の$78.50/bblで、引け後の時間外取引は$78/bbl台前半です。

 

米国エネルギー情報局の週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は120~180万バレル減少の予想に反し前週比373万バレルの増加でした。クッシング原油在庫は同159万バレルの減少です。

 

原油処理量は6週振りに前週比小幅の減少となりましたが、引き続き日量1,700万バレル台に留まり製油所稼働率は95%です。原油輸入量は前週比日量125万バレル増で、輸出は同131万バレル減でした。

 

石油製品の総出荷量は前週比日量129万バレル減って、再び同2,000万バレル大台割れです。

 

国際エネルギー機関 (IEA) の6月月報によると、2024年の世界の石油需要見通しは日量1億300万バレルで前月の予想から同10万バレルの下方修正、2025年の需要予測は日量1億400万バレルで前回から同30万バレルの下方修正です。

 

2024年の世界の石油供給見通しは日量1億280万バレルで前回から同10万バレルの上方修正、2025年の需要予測は日量1億460万バレルで前回から同10万バレルの上方修正となっています。

 

IEA 推定の5月の世界の総石油供給量は日量1億250万バレルで前月比同52万バレル増、OPEC 推定産油量は日量2,722万バレルで前月比同12万バレルの増加です。OPEC+ 全体では日量4,152万バレルで前月比同2万バレルの減少でした。生産調整対象国の生産量は目標に対して日量63万バレルの超過です。

IEA が併せて公表した年報 Oil 2024 によると、世界の総石油需要は2023年から2030年にかけて0.4%増加する見通しですが、2029年をピークに2030年には前年比マイナスに転じます。

 

 

一方非 OPEC の供給量の増加ペースの方が大きく、OPEC 原油の必要量は2029年には2023年比で日量200万バレル弱減ることになります。OPEC+ が減産を一層強化しないと余剰が拡大すると見込まれます。


2024/6/12
NYMEX WTI Jly: $78.50/bbl ( +0.60 )
20日移動平均: $77.49 ( +0.11 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $81.44/ -2σ: $73.54
 幅: $7.90 ( +0.04 ) / 100日平均: $7.32
ボラティリティ
 25.15 ( -0.32 ) / 100日平均: 22.57

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