原油相場は続伸です。終日値動きは小幅に留まりましたが、底堅い印象を与えます。需給見通しは第3四半期に向けてやや強気を孕んだものとなっています。

6月11日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比16セント高の$77.90/bblで、引け後の時間外取引は$78/bbl台前半です。

米国エネルギー情報局 (EIA) の6月短観によると、2024年の世界の石油需要見通しは日量1億298万バレルで前月の予想から同14万バレルの上方修正、2025年の需要予測は日量1億451万バレルで前回から同25万バレルの上方修正です。

 

2024年の世界の石油供給見通しは日量1億257万バレルで前回から同19万バレルの下方修正、2025年の供給予測は日量1億473万バレルで前回から同8万バレルの上方修正となっています。

 

EIA 推定の5月の世界の総石油供給量は日量1億216万バレルで前月比同6万バレル増、OPEC 産油量は日量2,668万バレルで前月比同19万バレル減でした。

 

EIA によると、今年第1四半期の世界の石油需給バランスは日量40万バレルの供給不足。これが第2四半期には同30万バレルの不足推定となっており、第3四半期には同60万バレルの不足に拡大する見通しです。

 

 

3月から5月にかけての余剰が4~5月の原油相場の軟調につながっていると考えると、6~9月の不足は相場を支えると見込まれます。

OPEC の6月月報によると、2024年の世界の石油需要見通しは日量1億446万バレルで前月の予想と変わらず、2025年の需要予測は日量1億631万バレルで前回と同じです。

 

OPEC 原油を除く2024年の世界の石油供給見通しは日量6,126万バレルで前回と変わらず、2025年の供給予測は日量6,239万バレルで前月から同3万バレルの上方修正です。

 

二次ソースによる5月の OPEC 推定産油量は日量2,663万バレルで前月比同3万バレル増、OPEC+ 全体の生産量は日量4,092万バレルで前月比同12万バレル減少でした。ロシアの供給が同12万バレル減少です。

 

OPEC 推定の今年第1四半期の OPEC+ 原油必要量に対する供給実績の不足量は日量135万バレルなのに対し、第2四半期は5月までの実績で同170万バレルの不足となっています。第3四半期にも現行の自主減産水準が続く場合、不足量は日量260万バレルに上ると見られます。

 

 

プラッツの調査によると、5月の OPEC 加盟12か国の産油量は日量2,675万バレルで前月比同12万バレル増でした。イラクやナイジェリアが増産しています。一方カザフスタンやロシアの減少で OPEC+ 全体の生産量は日量4,100万バレルで前月比同4万バレルの減少と推定されています。

 

引け後に米国石油協会 (API) が発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は120~180万バレル減少の事前予想に対し前週比243万バレル減でした。クッシング原油在庫も同194万バレル減で、共に前回の増加から減少に転じています。

 

ガソリン在庫は小幅の変動予想に対し前週比255万バレル減、中間留分は3週連続の増加です。

2024/6/11
NYMEX WTI Jly: $77.90/bbl ( +0.16 )
20日移動平均: $77.38 ( +0.05 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $81.31/ -2σ: $73.45
 幅: $7.86 ( -0.12 ) / 100日平均: $7.29
ボラティリティ
 25.47 ( -0.30 ) / 100日平均: 22.62


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