原油相場は反発です。中東情勢の緊迫を受けて一時87/bbl台半ばに上昇し年初来の高値を更新しましたが、イランの直接的な報復にエスカレートしないことで結局上げ幅の大半は削っています。

4月12日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比64セント高の$85.66/bblで、引け後の時間外取引は$85/bbl台半ばです。

各機関の需給見通しはやや強気になっており、原油相場は下げに対する抵抗が強くなっています。

そのため地政学リスクへの反応も大きくなりがちですが、新しい実効性のある展開にならない限り上値にも限界はありそうです。

国際エネルギー機関 (IEA) の4月月報によると、2024年の世界の石油需要見通しは日量1億290万バレルで前月の予想から同10万バレルの下方修正です。2025年の需要予測は日量1億400万バレルで前年比同110万バレル増と2024年の同120万バレルから若干減速します。今年第1四半期の需要の伸びは日量160万バレルに留まり、前回予想から同12万バレルの下方修正となりました。

 

2024年の世界の石油供給見通しは日量1億290万バレルで前回と変わらず、2025年の供給予測は日量1億450万バレルで前年比の伸びは2024年の日量77万バレルに対し2025年は同160万バレルになる見通しです。このため、需給バランスは2024年が均衡、2025年は日量数十万バレルの余剰となります。

 

IEA 推定の3月の OPEC 産油量は日量2,705万バレルで前月比同11万バレル増。OPEC+ 全体の生産量は日量4,170万バレルで前月比同8万バレルの増加です。生産調整対象国の生産量は目標に対して日量50万バレルの超過でした。

 

中国税関総署によると、3月の同国の原油輸入量は日量1,159万バレル相当の4,905万トンで、前年比6.2%減でした。日量ベースにすると3か月連続のマイナスです。

 

 

石油製品の輸出入は輸出が昨年2月以来の600万トン台の高水準で、141万トンの輸出超過となっています。

 

ベーカー ヒューズによると、4月12日時点の米国の油井リグ稼働数は前週比2基減の506基でした。前年比は82基減少です。


引け後に米国商品先物取引委員会 (CFTC) が発表した4月9日時点の建玉報告では、ヘッジファンドによるWTI 原油先物の買い越し幅は前週比2.9%増で4週連続の拡大です。売り玉も増える一方、買い玉が昨年10月以来の高水準になりました。

 (参考図表)

総取組高は前週比0.3%の増加です。ここ1か月、週ごとに増減を繰り返しています。

2024/4/12
NYMEX WTI May: $85.66/bbl ( +0.64 )
20日移動平均: $83.81 ( +0.19 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $87.98/ -2σ: $79.64
 幅: $8.35 ( -0.08 ) / 100日平均: $8.07
ボラティリティ
 18.92 ( -0.79 ) / 100日平均: 28.77

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