原油相場は続伸です。メキシコ湾での供給障害などで$95/bblまでの戻りを見せました。

8月11日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$2.41高の$94.34/bblで、引け後の時間外取引は$94/bbl前後です。

 

メキシコ湾のシェルの洋上プラットフォーム3か所がパイプラインの漏れにより生産を止めています。生産量は合わせて日量41万バレルとのことですが、復旧の見通しは不明です。

 

 ■ Shell Halts Oil Output At Three Gulf Of Mexico Platforms (OilPrice.com)

国際エネルギー機関 (IEA) の8月月報によると、2022年の世界の石油需要見通しは日量9,970万バレルで前月の予想から同50万バレルの上方修正、2023年の需要予測は日量1億180万バレルで前回から同50万バレルの上方修正です。

 

IEA 推定の7月の世界の総石油供給量は、コロナ禍後最高となる日量1億50万バレルで前月比同140万バレル増でした。年末までに更に日量100万バレル増加すると IEA は見ています。

 

7月の OPEC 産油量は日量2,905万バレルで前月比同26万バレル増と推定されています。サウジアラビアが日量25万バレルの増産です。ロシアら非 OPEC の協調国の生産は前月比日量22万バレル増。カザフスタンが増産するほか、ロシアも同2万バレルと僅かながら増加させています。

 

ロシアの7月の石油輸出量は日量740万バレルで前月比同12万バレル減と IEA は推定しています。年初の日量800万バレルからの減少は同60万バレルに留まっています。欧米や日本などへの供給は日量220万バレル減ったとされますが、大半は他の買い手が吸収しているようです。

 

OPEC の8月月報によると、2022年の世界の石油需要見通しは日量1億3万バレルで前回予想より同26万バレルの下方修正、2023年の需要予測は日量1億272万バレルで前回から同26万バレルの下方修正です。

 

一方、2022年の OPEC 原油を除く世界の石油供給見通しは日量6,580万バレルで前回から同6万バレルの上方修正、2023年の供給予測は日量6,751万バレルで前回から同7万バレルの上方修正となっています。

 

OPEC 推定の7月の世界の総石油供給量は日量1億60万バレルで前月比同170万バレル増でした。二次ソースによる OPEC 推定産油量は日量2,890万バレルで前月比同22万バレル増でした。

OPEC が算定する今年第2四半期の世界の石油需給バランスは日量5万バレルの供給不足とほぼ均衡でしたが、第3四半期は予定通りの増産が実行されると同80万バレルの余剰となります。増産計画が未達であっても、第2四半期の生産水準で第3四半期の必要量を超えているため余剰に転じることは間違いないでしょう。

 



2022/8/11
NYMEX WTI Sep: $94.34/bbl ( +2.41 )
20日移動平均: $95.05 ( -0.07 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $103.67/ -2σ: $86.43
 幅: $17.24 ( +0.02 ) / 100日平均: $20.05
ボラティリティ
 43.28 ( +1.07 ) / 100日平均: 53.29


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