原油相場は小幅反落です。前日引け後の時間外取引は堅調ムードで$70/bbl台半ばまで上昇しましたがその後伸び悩み、また、EIA 統計で原油在庫は減ったものの製品出荷が不振となり反落しました。

6月9日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比9セント安の$69.96/bblで、引け後の時間外取引は$69/bbl台後半です。

 

米国エネルギー情報局 (EIA) の週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は200~350万バレル減少の予想を上回る前週比524万バレル減でした。同211万バレル減の API 統計も大きく超えています。3週連続の減少で累積の減少量は1,200万バレルとなっています。

一方、クッシング原油在庫は前週比日量17万バレル増で、同42万バレル減の API 統計とは異なる結果となりました。

 

原油処理量は、日量1,600万バレル弱とコロナショック後の最高を更新しました。輸入と国内産油量の増加は合わせて日量120万バレルで、輸出の増加量同40万バレルを上回っていますが、処理量の拡大が在庫の減少につながっています。

 

 

石油製品の総出荷量は日量1,771万バレルと大きく後退しました。前年比はわずかにプラスを維持しています。

 

イラン核協議は今週末に再開と報じられており、同国の生産量は制裁解除された場合早期に復旧するとの声も聞かれます。

 

 ■ イラン、大半の石油生産は制裁解除後1カ月以内に回復可能-国営石油 (ブルームバーグ)

 

世界的な需要の回復期待がそうした供給増を吸収するという楽観が、市場では支配的です。

しかし、需給バランスは均衡からやや供給過剰が予想される中、WTI 相場の$70/bbl超えは行き過ぎと考えられ、コロナ克服の陶酔感が冷めると不安心理が台頭するものと思われます。

2021/6/9
NYMEX WTI Jly: $69.96/bbl ( -0.09 )
20日移動平均: $67.14 ( +0.30 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $71.66/ -2σ: $62.61
 幅: $9.05 ( +0.49 ) / 100日平均: $7.94
ボラティリティ
 29.08 ( +0.05 ) / 100日平均: 32.08

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