原油相場は3営業日続落となり、6営業日振りに$20/bbl大台を割って2002年以来の安値を更新しています。このところ金融緩和と景気刺激策で支えられてきましたが、それが一巡すると再び不安感に圧されています。

3月30日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比の$/bblで、引け後の時間外取引は$20/bbl台前半です。

 

サウジアラビアの大増産は予定通り始まる見通しで、同国は5月の輸出を過去最高の日量1,060万バレルに引き上げるとしています。

 

■ Saudi Arabia to raise oil exports to record high (Deutsche Welle)

 

他の OPEC 加盟国やロシアらも供給を引き上げる一方、市場には今年の世界の石油需要が前年比で日量1,500~2,000万バレル下がるといった予想も取り沙汰されています。

 

前年比20%の減少に確たる根拠はないようですが、そこまでの大幅な需要低下に対してこれまで通りの減産を行ったところで意味はないでしょう。

 

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は終息の気配を見せず、経済活動の自粛ムード継続が市場の悲観論を後押しします。そうした中で極端な弱気見通しが市場参加者の心を捉えています。

 

とはいえ、原油市場では実際の需給は重視されないのが常で、投機的な思惑の方が価格を動かす主因です。世界的な需給バランスがやや供給過剰に振れていても、起こる可能性の低いペルシャ湾岸での地政学リスクの思惑で急騰するのが原油相場なのです。

 

今の下落も尋常ではない需要減退という裏付けもはっきりしない思惑に牽引されたものであり、しばらくすると金融緩和によって溢れた資金が投機買いを招く可能性もあります。

2020/3/30
NYMEX WTI May: $20.09/bbl ( -1.42 )
20日移動平均: $29.48 ( -0.99 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $46.86/ -2σ: $12.10
 幅: $34.76 ( -1.58 ) / 100日平均: $11.38
ボラティリティ
 164.69 ( -1.85 ) / 100日平均: 43.75

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