原油相場は4営業日振りに反発です。サウジアラビアのポンプ ステーションが武装ドローンの攻撃を受けたとの報道で下支えられました。

5月14日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比74セント高の$61.78/bblで、引け後の時間外取引は$61/bbl台前半です。

 

先日の UAE 沖でのタンカーなどへの妨害行為に続いて石油施設への攻撃が行われ、その背後にはイランの関与が取り沙汰されています。イランの核開発を巡る小康状態は、イランによる開発再開と米国の制裁強化で崩れつつあり、ただでさえ需給均衡で底堅い原油相場は下振れの可能性を小さくしています。

 

OPEC による需給見通しも、若干の需給改善を示しています。OPEC の5月月報によると、2019年の世界の石油需要見通しは日量9,994万バレルで前月から同2万バレルの上方修正、一方、OPEC 原油を除く世界の石油供給見通しは日量6,452万バレルで前回より3万バレルの下方修正です。

 

OPEC 推定による4月の世界の総石油供給量は日量9,882万バレルで前月比同7万バレル減、二次ソースによる OPEC 推定産油量は日量3,003万バレルで前月比同3万バレル減少でした。OPEC の生産量は7か月連続のマイナスですが、減少幅は前月までよりも大きく縮小しています。

 

OPEC 推定の今年第2四半期の OPEC 原油必要量は日量3,094万バレルで、4月の生産量では若干不足です。第3四半期の必要量は日量3,120万バレルに増えるため、同100万バレル程度の増産をしないと世界の需給が逼迫します。

 

引け後に米国石油協会 (API) が発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は80~230万バレル減少の予想に反して前週比863万バレルの大幅増加となりました。クッシング原油在庫も206万バレル増えています。

 

製品在庫も総じて増加しており、時間外取引への重石となりました。

2019/5/14
NYMEX WTI Jun: $61.78/bbl ( +0.74 )
20日移動平均: $62.43 ( -0.07 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $65.59/ -2σ: $59.28
 幅: $6.30 ( +0.14 ) / 100日平均: $7.38
ボラティリティ
 20.67 ( +0.48 ) / 100日平均: 30.52

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