原油相場は3営業日続伸です。前日引け後の取引で下げきれず切り返しています。

10月24日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比57セント高の$52.47/bblで、引け後の時間外取引は$52/bbl台半ばです。

 

中東情勢や米国原油在庫の減少見通しに支えられる一方、修正安を演出するような決定的な弱材料は見当たらず、相場はジリジリと上昇する形になりました。

 

イラク北部からトルコ地中海岸へのパイプラインの輸送量は以前の日量60万バレルからまだ同30万バレル程度にしか回復していないとされますが、クルド人が管理している場合トルコ側との軋轢で出荷への影響が大きいと思われるもののイラク中央政府が掌握している限り回復への障害も少ないのでしょう。

 

一方、8月に武装勢力の施設占拠で産油量を落としたリビアでは、日量100万バレル近くまで生産が回復中で、年末には同125万バレル水準にする計画ということです。

 

産油国としては減産を維持して世界的な過剰在庫の削減を続け、需要の自然増を待って需給バランスを崩さずに生産を回復する方向にしたいのでしょうが、その前に油価が高騰するようだと需要の伸びの目算も狂います。そういう意味では、リビアや米国の生産は今適度な冷却剤になっているのかも知れません。

 

引け後に米国石油協会 (API) が発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は43~300万バレル減少の予想に反して前週比59万バレル増加でした。ただ、クッシング原油在庫が2週連続で減ったことと、製品在庫が予想を大きく超える減少を示したことで相場への影響は相殺されています。


2017/10/24
NYMEX WTI Dec: $52.47/bbl ( +0.57 )
20日移動平均: $51.16 ( +0.14 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $52.86/ -2σ: $49.46
 幅: $3.40 ( +0.15 ) / 100日平均: $5.28
ボラティリティ
 21.17 ( +0.21 ) / 100日平均: 26.18

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