原油相場は反発です。高値・安値は前日水準より低く、終値だけ高いパターンです。ドルの軟調や生産調整期待が$46/bbl台半ばで下支えます。

8月25日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比56セント高の$47.33/bblで、引け後の時間外取引は$47/bbl台前半です。

思うように下げない値動きを受けて上昇を試しますが、強材料にも決定打がないため上値は軽くなりません。

イラクやイランが9月の非公式協議に参加するとの報道が材料視されていましたが、産油国らはもともとアルジェリアで開催される国際エネルギー フォーラムに集まっているわけで、そのついでに行われる協議に参加したとしても何等かの合意を行う可能性は高くありません。
わざわざ生産調整の話し合いのためだけにどこか別の場所に集まるのとは真剣味が違います。

新華社によると、7月末の中国の商業原油在庫は前月比5.7%減でした。3か月振りの減少で、単月の減少幅としては過去最大級です。
一方、石油製品在庫は前月比0.7%増。ガソリンと灯油がわずかに減少し、軽油は若干増加しています。

China160825

7月は国内産油量が前年比8.1%減となったほか、原油輸入量も同1.2%増に止まっています。原油処理量が同2.5%増と伸び悩んでいても、これでは在庫が減りますね。

在庫変動を考慮して当ブログで推定した7月の中国の国内石油需要は、日量1,057万バレルで前年比1.2%増に止まります。原油処理量の同2.5%増やEIA推定の同3.5%よりも減速していると考えられます。

過去1年間に過剰と思われる商業原油在庫は概ね整理されたものの、実需の頭打ちに加えて製品在庫の高止まりが続くため、実需面から原油調達が増勢に向かうことは考え難いと思われます。

戦略備蓄の調達が再開されるまで、中国の原油輸入の伸びは抑えられるのでしょう。

2016/8/25
NYMEX WTI Oct: $47.33/bbl ( +0.56 )
20日移動平均: $45.60 ( +0.18 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $51.39/ -2σ: $39.82
 幅: $11.57 ( +0.03 ) / 100日平均: $7.08
ボラティリティ
 36.68 ( -1.01 ) / 100日平均: 37.35

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