原油相場は反発です。金曜午後の反発ムードを引き継ぎ、週明けの時間外取引が上昇を続けたものの、先週木曜の高値水準には届きませんでした。

2月22日のNYMEX WTI 原油先物3月限は前日比$1.79高の$31.43/bblで納会し、4月限の引け後時間外取引は$33/bbl台半ばです。

近頃の当限と2番限の順鞘は$2/bbl前後に拡大していますが、明日以降どう修正されるかも気になるところです。

国際エネルギー機関(IEA)の中期見通りによると、世界の石油需給バランスは2017年に均衡に向かい、2018年以降は供給不足になる見通しです。

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とはいえ、2014年から16年にかけての供給過剰で積み上がった在庫があるため、直ぐに需給がタイトになる可能性は低いと見られます。

IEAは米国シェール オイル生産について、2016年中に日量60万バレル減少、2017年に同20万バレル減少と見ています。一方、生産性の向上やコスト削減によって米国の石油生産量は2021年までに2015年比で日量130万バレル増加する見通しです。

需要側では、アジア途上国の石油輸入が2021年に日量1,680万バレルと2015年比で同280万バレル増加するものとIEAは予想しています。

その中心は中国で、実需のほかに2020年までに5億バレル相当に拡大する予定の戦略備蓄が同国の調達を支えるとしています。
引き続き中国に対する見通しは、今の市場のムードに比較して甘い気もしますね。

昨年前半には、2016年の需給バランス均衡予測によってWTI相場が$60/bblまでの回復を示しました。
2017年に需給バランスが均衡するのであれば、原油相場は再び回復しても良さそうなものですが、需要に対する不安感が昨年より深刻なうえ、価格低迷の長期化で市場参加者の相場感覚も変化しつつあるようです。

$100/bblに慣れていた感覚で$60/bblまで戻るというのと、$20~$40/bblのレンジ圏から$50/bblを越えるのでは重みが違いますね。

2016/2/22
NYMEX WTI Mar: $31.43/bbl ( +1.79 )
20日移動平均: $30.43 ( +0.11 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $34.11/ -2σ: $26.75
 幅: $7.35 ( -0.11 ) / 100日平均: $7.55
ボラティリティ
 79.97 ( -3.38 ) / 100日平均: 49.55

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