原油相場は3営業日振りに反落です。OPECとロシアとの生産調整期待に振り回された週でしたが、終わってみると前週末水準に近いところに戻りました。

2月19日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$1.13安の$29.64/bblで、引け後の時間外取引は$29/bbl台半ばです。

米国石油協会(API)の2月月報によると、1月の全米の石油製品出荷量は日量1,939万バレルで前年比0.7%増でした。ガソリン需要が同1.4%増の日量884万バレルと堅調です。

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原油と製品を合わせた総石油輸入量は日量989万バレルで前年比5.3%増です。国内産油量の頭打ちに伴い、原油輸入量が同8.0%の増加となっています。

その国内原油生産量は日量922万バレルで前年比1.4%減。3か月連続の減少ですが、引き続き高水準に留まっています。

一方、ベーカー ヒューズによると、2月19日時点の米国の油井リグ稼動数は413基で9週連続のマイナスです。リグ稼動水準は2009年以来の400基割れ目前ですね。

引け後に米国商品先物取引委員会(CFTC)が発表した2月16日時点の建玉報告では、スワップ ディーラーの買い越しが2010年9月以来の高水準になっています。

 (参考図表)

将来の生産をにらんだデリバティブがらみの売りヘッジが縮小していることをうかがわせ、リグ稼動の減少に符号する内容です。

とはいえ、米国の油井リグ稼動数が急速に減り始めたのは2014年第4四半期で、それまでに稼動を始めた油井の生産は引き続き行われています。

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シェール油井の寿命は2~3年とされるので、来年の初め頃まで生産量が大きく減り始めることはないのでしょう。

現在シェール業者は新規開発の極端な縮小と人員整理のため支出が大きく減る一方で、2014年までに稼動した油井により生産量は高水準で、会社によっては油価の下落を補って余りある収益を出している可能性もあります。

もちろん、新規開発が止まっている影響は1~2年後に顕在化するのですが、それまでは資金的に困らない会社もあることでしょう。
そう考えると、OPECらが今減産をしたとしても効果は薄いものと想像されます。

そんな中、投機の動きは再び弱気に傾いています。CFTC によると、ヘッジファンドによるWTI 原油先物の買い越し幅は前週比20.1%減で再び大きく縮小です。買い玉が若干減る一方、売り玉が過去最高となった1月中旬に迫る勢いで増えています。

総取組高は前週比0.8%減で2週連続の小幅減少です。180万枚大台半ばに達した後は伸び悩んでいますね。

2016/2/19
NYMEX WTI Mar: $29.64/bbl ( -1.13 )
20日移動平均: $30.32 ( -0.07 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $34.05/ -2σ: $26.59
 幅: $7.46 ( -0.01 ) / 100日平均: $7.52
ボラティリティ
 83.35 ( -6.97 ) / 100日平均: 49.35

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