原油相場は大きく反発し、3営業日振りに$40/bbl大台を回復しました。目標達成感のある市場では、ショート カバーが加速しがちです。

8月27日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$3.96高の$42.56/bblで、引け後の時間外取引は$42/bbl台後半です。

特に大きな買い材料が出たわけではありませんが、中国株の反発で底堅い展開となった後、フロア取引で$40/bbl台半ばを超えると上げ足が加速しました。

ナイジェリアのフォース マジュールなどのニュースもありましたが、日量100万バレルを超える供給過剰の続く市場では、少々の供給障害は材料と言えませんね。

 ■ Shell Nigeria declares force majeure on Bonny Light crude exports (Reuters)

今週の在庫統計で原油在庫が大幅に減少したにも関わらず原油相場の反応は鈍かった辺りが、弱気の行き過ぎのサインだったのでしょう。

供給過剰幅は縮小するのに下げが継続するのは不合理という背景もありますから、一旦戻りが始まるとショート カバーが膨らみます。

とはいえ、需給が緩い中で原油相場が上昇基調に転換するという可能性も極めて低いと言わざるを得ません。
中国の刺激策に対する評価もはっきりせず、需要不安は消えていませんし。

OPEC臨時総会に対する憶測は引き続き出回っていますが、従来型の産油国が一方的に損をすることになる減産が合意される見込みも薄い中で会合を開くとも思えません。

油価低迷が長期化してシェール業界が壊滅し、石油投資案件に対し金融機関が全く聞く耳を持たなくなるような状況になるまでは、OPECが価格調整機能を回復することはないのでしょう。

熱帯性暴風雨エリカは、週明けにはハリケーンに成長しフロリダの東海外を北上する見通しです。

Erika150828

来週は米国東部主要都市の沿岸を襲い、石油製品の輸送や消費に影響を与えそうですね。

2015/8/27
NYMEX WTI Oct: $42.56/bbl ( +3.96 )
20日移動平均: $42.84 ( -0.03 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $47.58/ -2σ: $38.11
 幅: $9.46 ( -1.28 ) / 100日平均: $8.90
ボラティリティ
 53.58 ( +17.19 ) / 100日平均: 35.81

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