原油相場は反落し、一時$40/bbl大台を割れました。

8月21日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比87セント安の$40.45/bblで、引け後の時間外取引は$40/bbl大前半です。

寄り付き直後から軟調のWTI 相場は午後に入って大台割れを2回試し、下放れしないことを確認した後は下げ幅を少し削りました。

3月の安値を下回った時点で$40/bbl大台自体にはサポートとしての意味は大きくなく、次に意識されるのはリーマン ショック後の安値である$30/bbl大台前半なのでしょう。

しかし、供給過剰継続とはいえ余剰幅が縮小している以上、下値を追うにはそれなりの理由が必要ともいえます。
また、ファンドの買い越し幅縮小が示すように、投売りによる大幅下落も起こり難い環境になっています。

米国商品先物取引委員会(CFTC)が発表した 8月18日 時点の建玉報告では、ヘッジファンドによるWTI 原油先物の買い越し幅は前週比 17.6 % 減 で2週連続の縮小です。2010年9月以来の低買い越し水準となっています。

 (参考図表)

買い玉の減少より売り玉の増加が目立ち、ファンドによる片建て売りは3月の安値水準期と同レベルになっています。
総取組高は前週比0.7%増でした。

ベーカー ヒューズによると、8月21日時点の米国の稼動油井リグ数は674基で5週連続の増加となりました。
ただ、増加数が少ないことや7月以降の相場下落を反映して9月後半にはリグ稼動も減少が予想されることなどから、市場では余り材料視されなくなっています。

オイルムーブメンツによると、9月5日までの4週間にアンゴラとエクアドルを除くOPEC加盟10か国が出荷する石油量は日量2,396万バレルで、8月8日までの前期間に比べて同42万バレル減少です。

季節的な減少が明確になってきましたが前年比ではプラスとなっており、5月以降の前年比増加傾向が続きます。

インド石油天然ガス省によると、7月の同国の原油処理量は日量441万バレル相当の1,867万トンで、前年比2.9%増でした。
3か月連続のプラスですが、7%台の伸びだった5~6月に比べるとやや減速です。

India150822

大西洋の南米沖を西インド諸島に向かって進むハリケーン ダニーですが、来週水曜にはハイチに到達すると予想されています。

Danny150822

その後メキシコ湾方面に向かうのか、北上するのかはまだ分かりません。
メキシコ湾に向かえば海洋油田への影響で原油相場の強材料、米国東海岸に沿って進めば石油製品需要を圧迫する弱材料ですね。

2015/8/21
NYMEX WTI Oct: $40.45/bbl ( -0.87 )
20日移動平均: $44.33 ( -0.41 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $49.41/ -2σ: $39.25
 幅: $10.16 ( +0.16 ) / 100日平均: $8.87
ボラティリティ
 32.30 ( +0.14 ) / 100日平均: 36.18

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